B2B決済提供のトライバルクレジットが約69億円調達、ソフトバンク主導

B2B決済提供のトライバルクレジットが約69億円調達

B2B決済プラットフォームを提供するトライバル・クレジット(Tribal Credit)が、シリーズBの資金調達ラウンドで約69億円(6000万ドル)を調達したことが分かった。

トライバル・クレジットは、ラテンアメリカを中心に新興国の中小企業に対し、金融サービスへのアクセスを向上させるため、決済・融資プラットフォームを提供する企業。多通貨対応のクレジットカードや国内または国際送金などの決済手段、経費を追跡・管理するための支出管理プラットフォームなどを提供している。

また昨年12月には、非営利団体ステラ開発財団(Stellar Development Foundation)と、メキシコ拠点の暗号資産(仮想通貨)取引所ビッツォ(Bitso)と提携している。これによりメキシコの中小企業はUSDCを利用し、メキシコと米国間において自国通貨のペソで、米国の商品やサービスをクロスボーダー決済できるとのことだ。 

発表によるとこの資金調達ラウンドは、ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド(SoftBank Latin America Fund)が主導した。

このラウンドにはコインベース・ベンチャーズ(Coinbase Ventures)が参加し、他には既存投資家のベコ・キャピタル(BECO Capital)やQED・インベースターズ(QED Investors)、ライジング・タイド(Rising Tide)が参加したとのこと。

今回調達した資金は、ラテンアメリカの22カ国以上で急速に拡大する顧客基盤のサポートをするために使用されるとのことだ。またブラジル、メキシコ、コロンビア、ペルー、チリの現地チームの構築にも使用されるという。

ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドのマネージングパートナーであるシュ・ニャッタ(Shu Nyatta)氏は「トライバルは暗号技術を利用して、決済と融資のゲームルールを根本的に変えようとしています」とし、「TradFi(伝統的な金融)とDeFi(分散型金融)をこれほど革新的かつシームレスに結びつけることができる企業はほとんどありません」と発表にてコメントしている。

ソフトバンクは昨年7月に、NFTマーケットプレイスのオープンシー(Opensea)や暗号資産デリバティブ取引所FTX、9月にはNFTサッカーゲーム提供のソーレア(Sorare)、10月には暗号資産マネロン対策ツール提供のエリプティック(Elliptic)、NFT企業キャンディ・デジタル(Candy Digital)、11月にはメタバースNFTゲーム企業「The Sandbox」など多くのブロックチェーン関連企業へ投資をしている。そして今年の1月には「FTX US」へ投資をしている。

またソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドは、ラテンアメリカ最大級の暗号資産(仮想通貨)取引所であるメルカド・ビットコイン(Mercado Bitcoin)の親会社である2TMグループへ投資をしている。 

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参考:トライバル・クレジット
デザイン:一本寿和
images:iStocks/TaiChesco・BadBrother

Source: https://www.neweconomy.jp/posts/188449