貿易情報連携PF「トレードワルツ」が丸紅より資金調達、累計額40億円に

丸紅がトレードワルツへ出資

ブロックチェーン活用の貿易情報連携プラットフォーム運営のトレードワルツが、丸紅からの出資を受け資金調達累計額が40億円に到達したことを1月31日発表した。

なお今回の丸紅の出資額についてはリリースにて公表はされていない。だたし、前回昨年8月の資金調達の際に発表されたトレードワルツの累計調達額が39億円であるため、今回丸紅が出資した額は1億円であると思われる。

リリースによると今回の資金調達の目的は、トレードワルツの貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」に関し、海外貿易プラットフォームとの連携強化とグローバル化を目指すためだという。

なお丸紅は今回の取り組みにより、日本の貿易プラットフォームの連携を通じ、穀物業界をはじめとした国際貿易のデジタル・トランスフォーメーションを主導し、生産地から消費地まで一貫したサプライチェーン管理の実現、新たな価値の創出を目指すとしている。

ちなみに丸紅は2021年12月、スイスのコヴァンティス(Covantis SA)に出資し、ブロックチェーン活用の穀物・油糧種子等サプライチェーンデジタル管理プラットフォーム事業へ参画している。

トレードワルツとは

トレードワルツ社はNTTデータ、三菱商事、豊田通商、東京海上日動火災保険、三菱UFJ銀行、兼松、損害保険ジャパンの大手7社の共同出資によって2020年4月に設立され、その後政府の支援や東京大学のベンチャーキャピタル、物流会社2社等の共同出資をうけ、現在は10社共同出資の産官学スタートアップとして活動している。また2020年11月以降に貿易のデジタル化、DXを目標に事業開始し、伊藤忠商事や双日、住友商事、三井物産、富士フィルム、三井住友銀行、NEC、ブルボンなどがトレードワルツのコンソーシアムに参加。昨年8月に会員企業数は140社まで拡大した。

昨年8月には豊田通商、豊島、上組、フジトランス、三菱倉庫の5社から9億円の追加資金調達を実施。これにより資金調達累計額は39億円となったと発表していた。また同年11月には日本・タイ・シンガポール・豪州・ニュージーランドの5カ国貿易プラットフォーム間のシステム接続、および、タイでのユーザーを交えたデータ連携実証に成功したしたと発表している。

また貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」は、貿易業務における紙書類の処理プロセスなどを簡略化し、業務の効率化をするブロックチェーン活用のプラットフォームだ。導入により業務効率化の他、リモートワークの促進もできるという。

なお「TradeWaltz」にはエンタープライズ向けブロックチェーン基盤である「Hyperledger Fabric(ハイパーレッジャーファブリック)」が採用されている。

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デザイン:一本寿和
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/292807