渋谷区、デジタル地域通貨「ハチペイ」と「ハチポ」を年内開始へ

渋谷区がデジタル地域通貨を年内開始へ

東京都渋谷区でデジタル地域通貨「ハチペイ」と「ハチポ」が導入されることが分かった。この取り組みは渋谷区の「デジタル地域通貨事業」として年内に開始される予定だ。カヤック同事業をが受託し、ジェーシービー(JCB)、ポケットチェンジと協働し同事業の総合プロデュースを担うとのことだ。

この「デジタル地域通貨事業」により、渋谷区民や来街者へお得さと利便性向上による消費喚起に加え、地域活動などで得られるコミュニティコインの付与により産業振興と地域コミュニティの活性化に貢献するとのことだ。

なおデザインには、渋谷区観光協会の公式キャラクター「SHIBUYA♡HACHI」が起用されている。

カヤックの8月9日の発表によると「ハチペイ」は、クレジットカードや銀行ATM から現金をチャージし、円の代わりに支払いできるデジタル地域通貨とのこと。ポイント還元やプレミアム付商品券、割引等の様々なインセンティブが得られる仕組みだという。

また「ハチポ」は、地域活動などで原資および換金性のないコインとして獲得し、店舗やイベントでの特別な体験に利用できるデジタル地域通貨となっている。

プレミアムポイント付きの「ハチペイ」を使って地元の店舗でお得に買い物でき、また地域のイベントやボランティア活動に参加して、コミュニティコイン「ハチポ」を獲得し、「ハチポ」を使って、地元の店舗で特別体験をすることが出来るようになる。これにより地域の価値観の浸透や人と人、人とお店が繋がるきっかけが提供できるとのことだ。

さらに「ハチポ」を「ハチペイ」のポイントに交換できたり、「ハチペイ」ポイントが「ハチポ」に還元されたりと、双方を効果的に活用することで、お得さと楽しさの相乗効果を狙うとのことだ。

なお「ハチペイ」はポケットチェンジ開発のオリジナル電子マネーアプリを作れるプラットフォーム「pokepay(ポケペイ)」のソフトウェア開発キット(SDK)を活用し、ポケットチェンジとカヤックが共同開発したとのこと。

また「ハチポ」はカヤック開発のブロックチェーンを利用したコミュニティコインアプリ「まちのコイン」が活用されているとのことだ。

今後はマイナンバーカードの読み取りによる区民認証で、区民に対して、よりお得なキャンペーンが計画されているという。また「ハチペイ」と「ハチポ」の利用状況に関わるデータを活用することで、渋谷区が目指すスマートシティの推進にも役立てるとのことだ。

ちなみにこれまでも渋谷区では区内の事業者や商店街の支援のため、特別融資をはじめ、消費活性化事業、感染対策グッズの配布など様々な支援を行ってきたが、消費活性化事業については、還元されたポイントが区外でも利用できることや、 区民への優遇が困難などの課題もあったとのことだ。また消費者に対してポイントなどをインセンティブとした消費喚起施策だと、持続的な支援にならない課題も残っていたという。このような課題に対して「デジタル地域通貨事業」実施が決定されたとのことだ。

なおコミュニティコインアプリ「まちのコイン」は2019年9月に神奈川県「SDGsつながりポイント事業」で採択されたサービスで、現在では神奈川県鎌倉市や新潟県燕三条エリア、沖縄県石垣島、東京都内では下北沢や秋葉原など、16の地域でそれぞれ異なる通貨名で導入されている。

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参考:カヤック
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Ninja-Studio・SAICHI

Source: https://www.neweconomy.jp/posts/251318