リキッドステーキング「Lido」、出金機能を含むアップグレード計画発表

Lido、出金機能を含むアップグレード計画発表

イーサリアム(Ethereum)のリキッドステーキングサービス「リド(Lido)」を提供するリドファイナンス(Lido Finance)が、「リド」のアップグレード計画を2月7日に発表した。

今回発表されたアップグレードの内容は「出金機能の実装」と「ステーキングルーターの導入」の2点となっている。

リドにおける出金機能とは、ユーザーの保有するstETHとリドにデポジットされたETHを1:1の比率で交換する機能である。リドは、ユーザーがデポジットしたETHを使用してイーサリアムでステーキングを行い、デポジットと引き換えに、ETHと1:1の割合で価値が担保されているトークンstETHをユーザーに付与している。したがって出金機能の実装によりユーザーは、リド上でETHのデポジット量を自由にコントロールできるようになる。

なおこの機能は、3月に予定されているイーサリアムの「シャンハイ」アップグレードに対応するものとなっている。現在イーサリアムにおいてはステークされたETHを引き出す機能が実装されていないため、リドにおいてもデポジットしたETHを引き出すことはできない。しかし「シャンハイ」アップグレードにて、ステークされたETHの引き出し機能が実装されるため、それに伴いリドもETHのステーク量をコントロールできるようになる。そのようなステーク量のコントロール機能をユーザー側にも提供すべく、今回の出金機能の実装が発表された。

また出金機能については、「ターボモード(Turbo Mode)」と「バンカーモード(Bunker Mode)」の2つの制御方式が導入されるとのこと。「ターボモード」はデフォルトの制御方式であり、出金リクエストをできる限り迅速に処理するという。一方で「バンカーモード」は、ネットワークの過度な混雑や予期せぬ異常が発生したときに適用される制御方式であり、プロトコル全体の出金を遅らせることで、一部のステーカーが不当な利益を得ることを防ぐという。

そして「ステーキングルーター」とは、リドプロトコルを拡張可能なものにするための制御機能である。この機能の導入で、内部レジストリの管理、バリデーターキーの保存、参加ノード間の報酬の割り当てなどをモジュール化して管理することにより、様々な種類のバリデーターの参加が可能になるという。その結果としてプロトコル全体の分散化につながるとのことだ。

これらのアップグレード計画は今月中にコミュニティ投票にかけられ、実施の可否が決定される。可決されれば、3月中にGoerli(ゴエリ)テストネットで機能の検証が行われ、その後イーサリアムの「シャンハイ」アップグレードに合わせてメインネットへのローンチが行われる予定だ。

リドについて

リドは、ステーキングされたトークンに流動性を付与する「Liquid Staking Protocol(流動性ステーキングプロトコル)」。イーサリアムではステーキングが開始されて以降、ステークしたETHはロックされ引き出せない状況が今日まで続いているが、そのような課題に対応するためにリドが開発されている。

リドを介してステーキングを行うと、ETHと「1:1」の割合で価値が担保されているトークンstETHが生成され、ユーザーはロックされて引き出せなくなったETHと引き換えにstETHが受け取れる。そして受け取ったstETHはDeFi(分散型金融)などで利用可能であり、レンディングなどを行えば利回りを得ることもできる。

なおイーサリアムではユーザーが独自にステーキングする際に最低金額である32ETHが必要だが、それを保有せずとも少額からステーキングに参加もできる。

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参考:Lido Finance
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Ket4up

Source: https://www.neweconomy.jp/posts/295151