アラブ首長国連邦中央銀行、26年までの中銀デジタル通貨発行を計画

9つのイニシアチブからなる金融DXプログラム

アラブ首長国連邦中央銀行(CBUAE)が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を含む「金融インフラ変革プログラム(FITプログラム)」を2月12日に発表した。

「FITプログラム」は「金融サービス部門を支援し、デジタル取引を促進することで、アラブ首長国連邦(UAE)をイノベーションとDXの中心地とすること」を目的としたプログラムである。

同プログラムは、カード決済スキームの構築、eKYCの開発、CBDCの発行など9つのデジタル化イニシアチブから構成されており、プログラムの第1段階で「デジタル決済サービスの拡充」、第2段階で「より幅広い金融デジタルインフラの構築」を実施する計画とのこと。

CBDCの発行は第1段階の「デジタル決済サービスの拡充」に含まれており、国境を越えた支払いサービスの実現を目指すとのことだ。

なおCBUAEは2026年までに「FITプログラム」を完了することを目指しているとのこと。

CBUAEのカレド・モハメド・バラマ(Khaled Mohamed Balama)総裁は「FITプログラムは、経済のデジタル化と金融セクターの発展に対する私たちの優れた指導者の方向性と願望を具現化したものです。私たちはパートナーと協力してプログラムを実施し、その目標を達成し、金融セクターにおけるデジタルサービスの導入を加速させ、優秀な人材を集めていきます」とコメントしている。

UAEの首長国のひとつであるドバイでは、2月7日に新たな暗号資産規制が発表され、暗号資産事業者が遵守すべき要件が明確になった。またこの規制により、モネロ(XMR)などの匿名性を強化する性質を持つ暗号資産の発行等の活動が禁止となった。

またCBUAEは2020年にサウジアラビア通貨庁とともにホールセール型CBDCの概念実証プロジェクトを実施している。

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参考:CBUAE
デザイン:一本寿和

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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/296339