米シティがTradeLensの試験運用完了
米金融大手シティグループ(Citigroup)が「TradeLens(トレードレンズ)」を利用して、初のペーパーレスによる貿易金融取引の試験運用を完了したことを9月19日発表した。
「トレードレンズ」は、デンマーク拠点の海運コングロマリットであるマースク(Maersk)とIBMが共同で開発した海運業界向けのブロックチェーンサプライチェーンプラットフォームだ。エンタープライズ向けブロックチェーンであるHyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)を元にしたIBM Blockchain Platformを利用して開発されている。
試験運用を行ったのはシティのトレジャリー&トレード・ソリューションズ部門アジア太平洋担当だ。「トレードレンズ」を活用し、書類処理のリードタイムを大幅に短縮することでサプライチェーンの効率を向上させる技術の有効性を実証したという。
農業ビジネス大手シンジェタ(Syngenta)のバングラデシュ支社がインドからバングラデシュへ輸入した農薬製品の輸入の際に試験運用が行われたとのこと。
ブロックチェーンを活用した電子船荷証券 (eBL) で作成された信用状(LC)により、20~25日と予想された書類処理の時間は10日間短縮されたとのことだ。また書類作成、郵便料金、港湾使用料、輸送に関わるコストも削減されたと付け加えられている。
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参考:トレードレンズ
デザイン:一本寿和
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/260794