1/29~2/4週のサマリー
・BTCはドル建てで昨年8月以来となる24,000ドル台に到達。
・FOMC では市場予想通り 25bp の利上げが実施されたが、パウエル FRB議長のインフレ減速を示唆する発言を受け、利上げ打ち止め期待から暗号資産価格は上昇。
・米1月雇用統計では、非農業部門雇用者数が51.7万人の増加(市場予想18.5万人)と市場予想を大きく上回り、米金利が上昇。前日のパウエル議長発言から一転、暗号資産市場は下落。
・米・ビッグテック決算ではApple、Alphabet(Google)、Amazon、Meta各社ともに減益。
暗号資産市場概況
1/29 ~ 2/4週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+2.78%の3,072,550円、ETH/JPYの週足終値は同+8.26%の220,455円となった(※終値は2/5の当社現物EOD[2/5 6:59:59]レートMid値)。
先週前半の相場環境は、米国株式の軟調な展開に引きずられたこともあり、31日午前に一時295万円まで下落するなど弱気な展開となった。2日は各国の政策金利が重なり、英・欧州では大きな動きがなかったものの、FOMCではパウエル議長の「ディスインフレのプロセスが進行中」との発言もあり、リスク性資産は一気に上昇へと転じた。暗号資産もFOMC直後に上昇し、週前半の下落分を取り戻す上昇をみせ、BTC/USDでは昨年8月以来となる24,000ドル台に到達。その後発表されたGAFAの決算は全社ともに不調だったものの、米株指数は堅調に推移し、暗号資産に関しても底堅い展開を見せた。
3日に発表された米雇用統計では、非農業部門雇用者数と失業率が市場予想より強い数字で発表され、米国の雇用情勢が引き続き堅調であることを示した。予想を上回る米国労働市場の逼迫状況を示す結果は、前日までの早期利上げ終了期待に水を差すこととなり、ターミナルレート(利上げ最高地点)も前日までの5.00%を超えないシナリオから、5.00%を超える水準への織り込みが進んだ。その結果、暗号資産は米金利上昇に反応して軟調に推移した。
先週、暗号資産市場では、BTCを大きく上回るETHの上昇率が注目された。このETHの上昇は、上海アップグレードが意識され始めていることが要因と思われる。先週半ばには、ステーキングの引き出し機能を備えたパブリックテストネット「Zhejiang」のローンチがあり、今週もテストネットのアップグレードが予定されている。ETHの動きが暗号資産市場を動かす展開もあるため、上海アップグレードまではETHを注視する必要があるだろう。また余談となるがETHに関しては、昨年末から現在にかけてNFTに使用されるガス代の比率が増加傾向にあるようで、NFT市場が再び盛り上がりを見せ始めていることを確認できる。
ETH トランザクション別のガス代使用量(日足)
BTC/USD週間チャート(30分足)
BTC/JPY週間チャート(30分足)
1/29~2/4週の主な出来事
2/5~2/11週の主な予定
今週のひとこと「ビットコイン・ドミナンス」
ビットコイン・ドミナンスとは、ビットコインが暗号資産市場全体でどのくらいのシェアを占めるのかを表すもので、大きな資金循環の流れを確認できる指標といえます。現在のドミナンスは直近の価格上昇もあり昨年11月の37%水準から42%水準まで上昇しております。一般的にはビットコイン価格の上昇に伴い、ドミナンスは相対的に上昇しますが、価格が上昇したからといってドミナンスが必ず上昇するとは限りません。
そこにはビットコインとアルトコインとの関係が大きく影響します。アルトコインがビットコイン以上に時価総額を伸ばした場合は、ビットコイン価格が上昇してもドミナンスは低下することもあります。
過去の分析では、一定水準までビットコイン・ドミナンスが上昇し、ピークを迎えると、アルトコインに投資資金が流入し、アルトコインのドミナンスが一定水準まで上昇すると、今度はビットコインに資金が還流する傾向があるために、トレードの判断基準の一つとされています。
昨今ではアルトコインが、SNS、ニュース等で注目を集め、ビットコインよりも魅力的な暗号資産となり、注目されるケースも少なくありません。SBI VCトレードではビットコイン以外に、13銘柄のアルトコインを取り扱っておりますので、ぜひこの機会に各アルトコインの価格動向やビットコイン価格との相関性など研究されてみるのもよいかもしれません。
過去1年間のビットコイン・ドミナンスとビットコイン価格(ドル建)の推移
このレポートについて
国内の暗号資産(仮想通貨)取引所「SBI VCトレード」提供の週間マーケットレポートです。毎週月曜日に最新のレポートをお届けしまします。
<暗号資産を利用する際の注意点>
暗号資産は、日本円、ドルなどの「法定通貨」とは異なり、国等によりその価値が保証されているものではありません。
暗号資産は、価格変動により損失が生じる可能性があります。
暗号資産は、移転記録の仕組みの破綻によりその価値が失われる可能性があります。
当社が倒産した場合には、預託された金銭及び暗号資産を返還することができない可能性があります。
当社の取り扱う暗号資産のお取引にあたっては、その他にも注意を要する点があります。お取引を始めるに際しては、「取引約款」、「契約締結前交付書面」等をよくお読みのうえ、取引内容や仕組み、リスク等を十分にご理解いただきご自身の判断にてお取引くださるようお願いいたします。
秘密鍵を失った場合、保有する暗号資産を利用することができず、その価値を失う可能性があります。
暗号資産は支払いを受ける者の同意がある場合に限り、代価の支払いのために使用することができます。
Source: https://www.neweconomy.jp/features/sbivct/293903