イーロンマスク、ツイッターを440億ドルで買収、株式非公開化へ
米電気自動車(EV)大手テスラの最高経営責任者(CEO)を務めるイーロン・マスク氏は25日、米ツイッターを440億ドルで買収することで合意した。
数億人のユーザーを抱えるツイッターの経営権はマスク氏に移り、ツイッターは非公開化する。
発表を受け、ツイッター株価は約5.7%上昇し51.57ドルで取引を終えた。
マスク氏が提示した買収価格は1株当たり54.20ドルで、同氏によるツイッター株大量保有が明らかになる前日の1日の終値に38%上乗せした水準。ただそれでも、昨年の株価70ドル台を下回っている。
ツイッター株を保有するボイヤー・バリュー・グループのマネジングディレクター、ジョナサン・ボイヤー氏は「ツイッターが転換に十分な時間を与えられていれば、マスク氏の提案を大きく上回る価格が可能だっただろう」と指摘。
一方で「今回の取引は、市場が企業を適正に評価しなければ、いずれ買い手がその役割をするというわれわれの見方を裏付けるものだ」と述べた。
買収提案は取締役会で承認済みで、今後は株主投票が行われる。アナリストによると規制上のハードルはない見込み。
マスク氏は先週、買収に向けた資金調達計画を公表。双方の協議は週末に加速していた。
ウェドブッシュのアナリスト、ダニエル・アイブス氏は、マスク氏が資金調達にめどをつけ、競合相手や友好的な買収者「ホワイトナイト(白馬の騎士)」が現れなかった時点で、ツイッター取締役会には他に選択肢はなくなったと述べた。
ツイッターは声明で、マスク氏が255億ドルの融資を確保した上、エクイティファイナンスを通じて210億ドルを提供すると述べた。
誰が経営者となるかは不明。
マスク氏は声明で「言論の自由は民主主義が機能するための基盤であり、ツイッターは人類の未来にとって不可欠な事柄が議論されるデジタルな広場だ」と述べた。
同氏はツイッターによる投稿管理を批判し、投稿の表示順序を決めるアルゴリズムの公開などを求めてきた。
保守層の間では、マスク氏の下で同社による投稿管理が少なくなり、トランプ前大統領など停止されたアカウントが復活するとの期待の声が上がっている。マスク氏自身、編集ボタンの導入や大量のツイートを送る「スパムボット」の排除などに言及している。
テスラと宇宙開発企業スペースXのCEOを務めるマスク氏が、ツイッターにどの程度の時間を割くかは不明。
OANDAのアナリスト、エドワード・モヤ氏は「ツイッター株主には朗報だが、マスク氏の関心がEV競争からさらにそれるのをテスラ株主は喜ばないだろう」と語った。
なおツイッターの暗号資産関連の取り組みとしては、ユーザーがサードパーティー決済サービスへのリンクをツイッタープロフィールに追加できる機能Tipsを公開しており、現在ビットコインやイーサリアムのイーサに対応している。
また決済インフラ企業ストライプ(Stripe)の、収益を暗号資産で受け取ることのできる機能を「Super Follows」や「Ticketed Spaces」に追加し、一部のツイッターユーザーに試験導入したことも4月22日発表している。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Credit: Reuters
Reuters Marketplace – Reuters Ready – Japan Business, Reuters Marketplace – Reuters Ready – Japan Top
Source: https://www.neweconomy.jp/posts/218512