クラーケンジャパン、イーサリアムのステーキングサービス開始
国内暗号資産取引所のクラーケン・ジャパン(Kraken Japan)が、イーサリアムのイーサの(ETH)ステーキングサービスを開始したことが2月4日に分かった。
イーサのステーキングとは、保有者がイーサリアムのブロック生成プロセスのオペレーションに参加して、報酬を受け取ることをいう。要するにユーザはイーサを一定数預けることで、イーサで報酬を得られる仕組み。イーサリアムは2020年より大型アップグレード「イーサリアム2.0」を開始し、プルーフオブステーク(PoS)型に移行している段階だ。
なお同社の海外版暗号資産取引所であるクラーケンのグローバルでは、2020年12月3日よりステーキングサービスを提供している。これまでのグローバルでの運用実績は2022年2月2日時点で、97万2992ETH(約27億ドル)がステークされ、サービス利用者には合計5万2565ETH(約1億4000万ドル)の報酬が支払われたという。イーサのステーキング額で取引所ではクラーケンが1位とのことだ。
クラーケン・ジャパンのイーサステーキングサービスは、年利4%(変動あり)、1週間に1回の報酬算定、元本保証、ステーキングの最小額0.0000000001ETH、クラーケン・ジャパンの手数料15%となっている。
ちなみにステーキングされたイーサとステーキングによる報酬は、イーサリアム2.0のネットワーク・アップグレードが完全に完了するまで、移動させることができない。ステーキング報酬や元本の移動解禁日はクラーケンではなく、イーサリアムのネットワークの進捗によって決まるとのことだ。
ステーキングサービスの元本保証や今後の展開について
「あたらしい経済」編集部は、クラーケン・ジャパン代表の千野剛司氏へ取材を行った。
−−仮にユーザーがステーキングしたETHがハッキングされた場合、元本などに、どういった保証があるのでしょうか?
クラーケンは本邦において消費貸借契約という形でステーキングを提供していますので、お客様から借り受けたETHは、返却期限がくれば(イーサリアム2.0アップグレードに伴うETHの移動解禁日の到来及びクラーケン・ジャパンにおけるイーサリアム2.0の取扱いが開始すれば)、返却する義務を持つことになります。その間、仮にクラーケンがハッキングされてETHを流出するような事態になっても、お借りしたETHは返却いたします。
−−企業のステーキング展開も検討していますでしょうか?
企業・機関投資家、日本の他の交換業者向けにもステーキングサービスの提供を積極的に行いたいと考えております。クラーケンは昨年12月、機関投資家や企業向けにノンカストディアルでステーキングサービスを提供するStakedを買収しました。今後、グローバルチームと連携し、日本でもノンカストディアルのステーキングサービス提供の可能性も模索したいと考えています。また、今後、ステーキング市場が拡大するに伴い、仮想通貨を保有する機関投資家、レンディング企業、一般事業法人等による自己資金の運用面で需要が出てくると見込んでいます。
−−今後もステーキング銘柄は増やしていく予定でしょうか?
クラーケン・ジャパンは、クラーケン・グローバルとの「プロダクト・パリティ」、つまりグローバルで提供するプロダクトは、法令を順守しながら可能な限り全て日本でも提供することを目指す方針です。現在クラーケン・グローバルでは11銘柄、買収したStakedでは27銘柄を対象にステーキングを提供しており、日本も同水準での対応を目指します。すでに新たなステーキング可能銘柄の取扱い開始に向けた手続きを行っております。
images:iStocks/dalebor
デザイン;一本寿和
Source: https://www.neweconomy.jp/posts/188323