オーストラリアのNFTスタートアップのImmutable(イミュータブル)が、シンガポールのTemasek(テマセク)が率いる投資家から企業評価額25億ドル(約2,900億円)で、資金調達を行ったことを3月7日に発表した。この資金調達は暗号資産(仮想通貨)とNFTスタートアップへの関心の高まりを受け行われた。
以前Immutableが2億ドル(約230億円)の資金調達を実施した際には、テマセクの他、ミラエ・アセット(Mirae Asset)、パラファイ・キャピタル(ParaFi Capital)、ディクラレーション・パートナーズ(Declaration Partners)、テンセント・ホールディングス(Tencent Holdings)、アニモカ・ブランズ(Animoca Brandss)などが参加したようだ。
また同社は、2021年の前回の資金調達ラウンドで4億1000万ドル(約470億円)の評価額で6000万ドル(約69億円)の資金調達をしていたという。
シドニーに本社を置くImmutableは、NFTカードで取引を行うオンラインゲーム「Gods Unchained(ゴッズ・アンチェインド)」や、取引可能な報酬を獲得できるモバイルゲーム「Guild of Guardians(ギルド・オブ・ガーディアンズ)」の開発元だ。
2月には、ゲームストップ(GameStop)との提携によりNFTマーケットプレイスを立ち上げるとともに、ゲームスタジオ、Web3、メタバースゲームなどのNFTコンテンツのクリエイターを支援する1億ドル相当のファンドを設立することも発表している。NFTは、ブロックチェーン上に存在するデジタル資産で、複製不可能な固有のデジタル署名を持つものだ。
Immutableの共同創業者兼社長のロビー・ファーガソン(Robbie Ferguson)氏は「今回の資金調達により、M&Aの機会などを通じて積極的に資金を投入できるようになりました」とコメントしている。
ここ数年、大手ベンチャー投資家、著名人、優良企業などが、暗号資産の可能性とNFTの急成長市場に賭けて、暗号資産市場への投資を倍増させている。
世界のNFT市場は、すでに数百億ドル規模に達している。今年初め、プロフットボールの伝説的選手であるトム・ブレイディ(Tom Brady)氏が共同設立したNFTプラットフォームAutograph(オートグラフ)は、シリコンバレーの有名投資家Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ:a16z)とKleiner Perkins(クライナー・パーキンス)から1億7000万ドルを調達した。
またImmutableは「Immutable X」というプラットフォームを作成し、第2位のブロックチェーンネットワークであるイーサリアム(Ethereum)と比較して、はるかに速い速度で取引を行うことができるとしている。このプラットフォームはまた、低い計算能力を必要とし、環境への影響も小さいと、同社のウェブサイトで説明されている。
ちなみに昨年10月にTikTokがNFTコレクション「TikTok Top Moments」を発表したが、それはImmutableとの連携によるものだった。
(Reporting by Manya Saini in Bengaluru and Jane Lanhee Lee in Oakland, California; Editing by Amy Caren Daniel)
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/200073