「Bunzz」がシードラウンドで約5.8億円の資金調達
dApps(分散型アプリケーション)開発支援プラットフォーム「Bunzz(バンズ)」運営のBunzzが、シードラウンドにて総額450万ドル(約5.8億円)を資金調達したことを1月17日発表した。
このラウンドを主導したのは、伊藤穰一氏がジェネラルパートナーを務めるweb3ファンドのgmjpだ。
その他の投資家として、Arriba Studio(アリーバスタジオ)、セレス、コインチェックの「Coincheck Labs」、DG Daiwa Ventures(DGダイワベンチャーズ)、GMO Web3、グリーの「GREE Ventures」、Hyperithm(ハイパーリズム)、mint(ミント)、Spiral Ventures(スパイラルベンチャーズ)、01Booster Capital(ゼロワンブースターキャピタル)が参加している他、個人投資家としてKotaro Tamura氏、Kazutaka Mori氏も出資参加している。
「Bunzz」は、dAppsに必須なプログラム「スマートコントラクト」の開発を支援するプラットフォームだ。NFTやDeFi、DAOなど、web3関連サービスの開発に利用されるスマートコントラクトをモジュール化し、dApps開発者に広く提供することで、高度な知識が必要とされてきたweb3領域への参入障壁を低くすることを目指している。
「Bunzz」によると、dAppsの開発には従来のフロントエンドやバックエンドの技術に加えて「スマートコントラクト」が必須だが、その開発難易度が高いことやセキュリティの担保が難しいことが課題だという。
そこで「Bunzz」では、利用頻度の高いコントラクトをモジュール化して提供し、ノードの準備や開発環境の立ち上げもプロダクトのバックエンド側でカバーすることで、今まで複雑だった開発工程を簡素化する。これによりdApps開発の難易度が劇的に下がるという。
「Bunzz」は発売から11ヶ月で8,000人以上のdApps開発者に利用されており、3,000以上のdAppsプロジェクトが「Bunzz」からブロックチェーン上にデプロイされているとのことだ。
なお「Bunzz」同様のサービスとして、オープンソースのライブラリである「Open Zeppelin(オープンゼェッペリン)」があるが、同社は利便性が異なるとしている。「Open Zeppelin」はコードがあくまでライブラリであり、開発環境やノードが必要なためすぐにデプロイできないというが、「Bunzz」のモジュールはGUI(グラフィカルユーザインタフェース)だけでデプロイできることが特徴だ。
なお「Bunzz」はCoinbase(コインベース)が発行のweb3開発インフラストラクチャのカオスマップに掲載されている他、昨年10月に福岡で開催された「B Dash Crypto」の「web3 pitch」にて優勝もしているプロジェクトだ。
「Bunzz Co-FoudnerでCEOの圷(あくつ) 健太氏は発表で以下のようにコメントしている。
「Bunzzは最終的に『web3版github』の実現を目指しています。ブロックチェーン上のコントラクトは誰でもパーミッションレスにアクセス・利用が可能であることから、『公共財』とも呼ばれるオープンなプログラムですが、利用フローや動作のロジックが必ずしも明示的でないため、再利用したいエンジニアにとっては依然不便なものです。Bunzzではトークノミクスを実装することで、スマートコントラクトモジュールのクリエイターがより精度の高いコーディングとドキュメントを作成するインセンティブをデザインし課題解決を目指すと共に、Bunzzで利用できるコントラクトの数も指数関数的に増加することで『web3版github』と呼ばれるような、web3エンジニアの必須インフラへ成長させていきたいと考えています」
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参考:バンズ
デザイン:一本寿和
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/288949