COP27で環境問題に取組む「イーサリアム・クライメイト・プラットフォーム(ECP)」設立発表、コンセンシスとオールインフラが

コンセンシスら、イーサリアムの環境負債解消のためのPF発表

エジプトのシャルム・エル・シェイクで開催されている国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)において、炭素排出量削減のためのプラットフォーム「イーサリアム・クライメイト・プラットフォーム(Ethereum Climate Platform / ECP)」の設立が発表された。

コンセンシス(ConsenSys)とオールインフラ(Allinfra)およびweb3企業グループらが、11月17日に発表した。

発表によるとECPの設立目的は「2015年のイーサリアムネットワーク立ち上げに遡り、イーサリアムベースの炭素排出量を是正し、打ち消すこと」とされている。イーサリアムは2015年の設立以降、今年9月の大型アップグレード「マージ(The Merge)」を迎えるまでコンセンサスアルゴリズムに環境負荷の大きいPoW(プルーフオブワーク)を採用していた。ECPではPoWを採用していた期間に排出された炭素量を特定し、それを打ち消すような取り組みを実施するとのこと。

ECPによる炭素排出量削減の取り組みの具体的方法は「大規模な脱炭素化を実現するプロジェクトへの融資」や「市場検証を必要とする革新的なソリューションの支援」とされている。プロジェクトがどの程度の炭素排出量削減を実現するかについては、環境影響評価を専門とするコンサルティング企業ERMなどが関与するという。

ECPはイーサリアムの環境負債にフォーカスしたプラットフォームとして構築されるが、将来的には「グローバルな技術およびビジネスコミュニティの歴史的な炭素排出量を相殺するモデルとして機能すること」を目標にしているとのことだ。

コンセンシスらは、ECPの第一段階として「イーサリアムの過去の排出量に関して最も正確な推定値を得るための調査」に取り組み、イーサリアムの環境負債を明確化するという。

コンセンシスの創業者ジョセフ・ルービン(Joseph Lubin)氏は「イーサリアムはマージの実現で集団の意志の力によって炭素排出量を大幅に削減する技術的決定を成功させることができることを示しました。しかし気候の危機は、より根本的な変化を必要としています。私たちはweb2やweb3、そして市民社会のリーダーたちからの協力者を得て、ECPを通じて気候対策を促進させることを楽しみにしています」とリリースでコメントしている。

またオールインフラの創業者ビル・ケントラップ(Bill Kentrup)氏は「質の高いグリーンプロジェクトに資金を提供することは、人類が引き起こした気候変動を緩和するために非常に重要です。私たちは、このプラットフォームが今後数年間、web3の戦略的リーダーたちと協力して気候変動に取り組むことを楽しみにしています」とリリースにて述べている。

なおECPに参加するweb3企業グループにはフォビ・グローバル(Huobi Global)、マイクロソフト(Microsoft)、ポリゴン(Polygon)、アーベ(AAVE)など17の企業やプロジェクトが含まれている。

コンセンシスはイーサリアムおよび分散型プロトコルソフトウェア開発の大手企業だ。提供する製品にはセルフカストディウォレットのメタマスク、エンタープライズ向けブロックチェーンのクォーラム(Quorum)などがある。

またオールインフラはブロックチェーンベースのエンタープライズ向け環境プラットフォームを提供する企業だ。同社は国際決済銀行(BIS)などとともに、グリーンボンドおよび炭素クレジットのブロックチェーンを利用した管理を検証するプロジェクト「ジェネシス2.0(Genesis 2.0)」を実施している。

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参考:コンセンシス
デザイン:一本寿和

images:iStocks/Heiness

Source: https://www.neweconomy.jp/posts/275388