BMWがブロックチェーンで透明性確保の「アルミニウム」の採用検討
独BMWグループが、英豪資源会社リオティント(Rio Tinto)との提携を2月21日発表した。これによりBMWは、リオティント製品の製造に関する主要なESG(環境・社会・ガバナンス)情報をブロックチェーン技術を使用して「見える化」するトレーサビリティプラットフォーム「START(スタート)」の導入を検討するとしている。
また今回の両社の提携によりBMWは、米国サウスカロライナ州スパータンバーグにある車体組み立て工場向けに、責任を持って調達・生産されたアルミニウムの供給を2024年より受ける予定とのこと。
発表によると、リオティントがカナダで水力発電を利用して生産し、さらにリサイクル原料と組み合わされた低炭素アルミニウムは、BMWグループがアルミニウム部品に関して定めている現行基準値と比較して、温室効果ガス排出量を最大70%削減することが可能とのことだ。
また両社はBMWグループのサプライチェーンにリオティントの「ELYSIS」といった技術を用いて製造されたアルミニウムを組み込むためのMoU(覚書)も締結したという。「ELYSIS」はアルミニウムの製錬工程で温室効果ガスを直接排出せず、酸素のみを生み出す世界初のカーボンフリーなアルミニウム製錬技術とのこと。
なお「START」は顧客と最終製品の購入者に対して、アルミニウムをはじめとしたリオティント製品のサプライチェーンのトレーサビリティ情報を提供するプラットフォームだ。
「START」が提供するESG指標には、LCA(ライフサイクルアセスメント)に基づいた温室効果ガスの排出量、水の使用量、安全操業実績、ビジネス倫理規範の順守、コミュニティへの貢献やダイバーシティなど、14の項目が含まれているとのこと。
以前「あたらしい経済」編集部がリオティントジャパンに対し、「START」で採用されているブロックチェーン基盤について問い合わせを行ったところ、エンタープライズ向けブロックチェーンのハイパーレジャーファブリック(Hyperledger Fabric)を採用していると回答を得ている。
先日2月17日には、大手総合商社の丸紅がリオティントと提携し、リオティントのアルミニウム製品を国内大手輸送機メーカーへ販売する契約が締結されている。
この契約は「START」活用により、リオティントが保有するニュージーランドのアルミニウム製錬所において再生可能エネルギーを利用して生産した第三者認証付き低炭素アルミニウム製品ブランド「RenewAl(リニューアル)」を、サプライチェーンや製造工程全体の脱炭素化に取り組む日本の大手輸送機メーカーへ供給することだと説明されている。
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参考:リオティントジャパン
デザイン:一本寿和
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/298539