ACAグループ、ビットフライヤーHD買収を断念
シンガポールと日本拠点の投資ファンドACAグループが、国内暗号資産(仮想通貨)交換事業を傘下に持つビットフライヤーホールディングスの買収を断念したことを10月1日に日経新聞が報じた。
報道によるとACAによるビットフライヤーの買収交渉は、少数株主連合と過半の株式取得で一度は合意したという。しかしビットフライヤー創業者の加納裕三氏が反対を表明。それを受け合意を撤回する株主も出たとして、過半取得の目途が立たないとACAグループは判断したとのことだ。
約4割の株式を握る加納氏が「自身の承諾なく新規株式公開(IPO)や重要資産の売却をできない旨が投資契約書などに書かれている」と主張したことにより、法的リスクを警戒した一部の少数株主が賛同を取り下げたと、伝えられている。
さらに当初ACAは、株式全体の評価額を450億円と見積もっていたが、楽天グループなどの企業による入札が進むなか買収額は900億円弱まで膨らんだことが買収を断念した一因であるとも日経新聞は報じている。
この報道をうけ加納氏は自身のツイッターにて「ビットフライヤーを守ることができました。不正株主総会はコーポレートガバナンスの根幹を揺るがす話だと思います」とコメントしている。
ACAによるこの買収計画については今年4月2日に、40%の株式を保有する加納氏を除く株主連合と株式の過半の取得で大筋合意したと報じられていた。
また株主連合がビットフライヤーの共同創業者で約13%の株式を握る小宮山峰史氏の賛同を得た他、同じく13%弱の株式を保有する積水ハウスが売却意向を示し、5割強確保の目処がついたとのことだった。
しかしその報道を受け加納氏は「(売却スキームに参加することの)可能性は限りなく0」と自身のツイッターにて否定。株式全体の評価額が最大450億円と報じられたことについても「安い」と一蹴。報道の翌々日には敵対的買収からの防衛策のひとつである「ホワイトナイト」を募集していた。
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参考:日経新聞
デザイン:一本寿和
Source: https://www.neweconomy.jp/posts/263085