50ドル未満の個人取引を対象に、暗号資産の非課税化法案が米上院に提出
米国の上院議員である共和党パトリック・トゥーミー(Patrick Toomey)氏と民主党キルシテン・シネマ(Kyrsten Sinema)氏が共同で、デジタル資産を使用した少額決済に対する課税免除を規定する法案「暗号資産課税公平法(Virtual Currency Tax Fairness Act)」を7月26日に提出した。
トゥーミー議員は現在の暗号資産に関する税制について「暗号資産は米国人の日常生活の一部になる可能性を秘めているが、現在の税制がそれを阻んでいる」と述べており、同法案によって「コーヒーを買うような小さな個人取引を非課税にすることで、より簡単に暗号資産を日常の支払い方法として使えるようにする」と説明している。
現行の税制では、決済に暗号資産が使用された場合、その暗号資産の価値が取得時よりも上がっていれば、決済金額にかかわらずキャピタルゲインとして計上され、課税の対象となる。今回提出された法案では、50ドル未満の個人取引または50ドル未満の利益が発生するような個人取引については非課税とすることで、日常取引における暗号資産の使用のハードルを下げることを目指すとのことだ。
またこの免除規定を悪用した脱税を防ぐため、今回提出された法案では「ひとつの取引を構成する複数の少額決済を統合してひとつの決済として扱う」というルールも規定されている。
この法案の賛同者の一人であるコインセンター(Coin Center)のエグゼクティブディレクター、ジェリー・ブリトー(Jerry Brito)氏は「この法案は、小売店での支払い、サブスクリプションサービス、マイクロトランザクションのための暗号資産の使用を促進するでしょう。
さらに重要なのは、ブロックチェーンネットワークの少額手数料取引が非課税となることで、分散型ブロックチェーン・インフラの開発が促進されることです」とコメントしている。
他にもブロックチェーン協会(Blockchain Association)、クリプトイノベーション議会(Crypto Council for Innovation)、デジタルアセットマーケット協会(Association for Digital Asset Markets)、デジタルコマース議会(Chamber of Digital Commerce)など多数の業界団体が、同法案に対する賛同コメントを寄せている。
暗号資産を使用した少額決済に対する課税免除を規定する法案はこれまでにも複数回提出されている。2022年2月には米国下院にて200ドル未満の決済を非課税とする法案が提出されている。また6月には上院にてシンシア・ルミス(Cynthia Lummis)議員とカーステン・ギリブランド(Kirsten Gillibrand )議員によって同様の法案が提出されている。
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参考:米国上院委員会
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デザイン:一本寿和
Source: https://www.neweconomy.jp/posts/247476