トルネードキャッシュの制裁対象が明確化
米財務省外国資産管理局(OFAC)が、北朝鮮の資金調達に加担したとしてトルネードキャッシュ(Tornado Cash)を制裁対象に再指定したことを11月8日に発表した。
トルネードキャッシュは暗号資産(仮想通貨)のミキシングサービスであるが、その特性をサイバー犯罪に関与した資産のロンダリングに利用されていることが問題視されていた。今年3月には、北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」がトルネードキャッシュを利用してサイバー攻撃で得た資産をミキシングし、当局の追跡を困難にしていた。
これらの事実から今年8月にOFACは「財産および財産上の利益がブロックされている人物である北朝鮮政府に対して、実質的に支援を提供した」としてトルネードキャッシュを制裁対象に加えた。
この制裁により、米国在住者によるトルネードキャッシュの利用が禁止されたが、トルネードキャッシュの開発者や支援者が制裁の対象となるかが明確ではなく、暗号資産コミュニティからOFACに対して反発の声が上がっていた。
そのような声を受け、今回の再指定では、トルネードキャッシュに含まれる個人について明確な説明が加えられた。
OFACによると「現時点では、トルネードキャッシュの個々の創設者、開発者、DAOのメンバー、ユーザー、あるいはトルネードキャッシュの支援に関与するその他の人物は含まれません 」とのことだ。
ただし、引き続きトルネードキャッシュは制裁対象となっているため、トルネードキャッシュ上の資産は凍結されており、米国在住者がトルネードキャッシュを利用することはできないとのことだ。
OFACがトルネードキャッシュ全体を制裁対象とし、無実のユーザーの資産を凍結していることについて、今年9月にコインベース社員2人を含む6人のトルネードキャッシュユーザーが米財務省に対して訴訟を起こしている。コインベースはこの訴訟を支持しており、裁判費用を提供する意向を示している。
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参考:米国財務省
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/273234