日銀のCBDC概念実証がフェーズ2へ
日本銀行が進めている中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験が「概念実証フェーズ2」に進むことが3月25日分かった。
日銀は2020年10月に公表した「中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針」に沿って、昨年4月よりCBDCの基本的な機能や具備すべき特性が、技術的に実現可能かどうかを検証するため実証実験(概念実証)を進めている。
今回、CBDCの基本性能に関する検証を目的とした「概念実証フェーズ1」が、当初の予定通りに3月で終了するという。そして4月からは、フェーズ1で構築した実験環境に様々な「周辺機能」を付加して、その実現可能性や課題を検証する「概念実証フェーズ2」が開始するとのことだ。
「概念実証フェーズ2」では、決済の利便性向上を目的に「支払指図の予約等、複数口座の保有、CBDCによるオフライン決済との関係」が検証される他、
「仲介機関間の情報連携、民間決済システム・公金システム等との連携、現金とCBDCの交換」の検証、「経済的な設計(金融システムの安定確保等)」として「CBDC保有額・取引額の制限、付利・課金、ユーザーの属性に応じた異なる取扱い」が検証される予定と昨年10月のレポート「中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み」で発表されている。
なお当時から日銀は「現時点ではCBDCを発行する計画はない」としているが、今後CBDCに対する社会のニーズが急激に高まる可能性もある為、「しっかり準備しておくことが重要」と説明していた。「概念実証フェーズ1・2を経て、さらに必要と判断されれば、民間事業者や消費者が実地に参加する形でのパイロット実験を行うことも視野に入れて検討していく」とのことだった。
また日銀によるCBDCの実験環境構築は、日立製作所が業務委託先として選定されている。
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参考:日銀・中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み
デザイン:一本寿和
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/207324