スタートバーンが経産省のファッション分野のNFT実証実験、ANREALAGEやTOMO KOIZUMIらも参加

スタートバーンがANREALAGEらと経産省のNFT実証実験へ

経済産業省がスタートバーンを委託先として実施する、「ブロックチェーン・NFTを活用したファッション産業における展示会の高度化についての実証事業」の詳細が2月24日発表された。

この実証には、ANREALAGE(アンリアレイジ)、HIRUME(ヒルメ)、Masaya Kushino(串野真也)、TOMO KOIZUMI(トモ コイズミ)、YUIMA NAKAZATO(ユイマ ナカザト)の5つのファッションブランドが参加する。3月4日から13日の期間にて、東京都日本橋のDDD HOTEL内にあるPARCEL(パーセル)を主会場に、同ファッションブランドが提供する作品をフィジカル(実物)とデジタルで展示するという。

また展示されるファッションアイテムには、スタートバーンが構築するブロックチェーンインフラ「Startrail(スタートレイル)」を活用し、ブランドやデザイナーにおける販売内容の多様化および長期的な作品管理と収益還元を提案するとしている。

今回開催される展示会「SIZELESS TWIN(サイズレス・ツイン)」では、3種類のファッションアイテムが展示・販売されるという。

各ファッションブランドより提供されるフィジカルアイテム「Unique Piece(ユニーク・ピース)」、それを基に生成されたメタバース用3DCGデータ「Digi-Couture Sculpture(デジクチュール・スカルプチャー)」、プロフィール用合成写真データとなるPhygital Portrait(フィジタル・ポートレート)となる。

なおこれら展示品には、「Startrail」でブロックチェーン証明書となるNFTを発行するとのことだ。

このように実物作品に加えて新たにデジタルの作品を展開することで、デザイナーにおける表現の広がりや、ブランドにおける販売経路の多様化を実現するという。

またNFTを活用することで、販売・利用方法のフィジカルやデジタルを問わず、正規のブランドやデザイナーから販売された作品であるという長期的な価値担保を可能とし、作品が二次流通に渡った際にも、元の制作者であるブランドやデザイナーに対する還元金についての規約が継承されるとしている。

スタートバーンは今後について、二次流通事業者とのAPI連携などを通して、より簡易的な流通管理の仕組みにアップデートするとし、また「制作過程に関わる情報までも一元管理できるというブロックチェーン技術のポテンシャルを活かし、サステナブルな作品提供のインセンティブになり得るものとして、NFTの活用方法を提案しつづける」と述べている。

なおこの展示会は、香港のK11アートモールでも4月9日から5月2日の期間にて開催されることが決定しているとのことだ。

昨年11月、経産省が公募を行った令和3年度「展示会等のイベント産業高度化推進事業(展示会等における流通・取引の高度化実証事業)」を実施する委託先としてスタートバーンが採択されていた。同年12月には、翌年2月頃よりファッション分野でNFTの実証実験を行うことが発表されていた。

なおスタートバーンは、イーサリアム財団(Ethereum Foundation)による助成金(グランツ)を獲得したことが2月25日に明らかになっている。

このグランツでは、興味深い社会問題を解決し、公共インフラを改善し、創造的なブロックチェーンユースケースを構築するために活動するチームをサポートすることが目的とされている。

また今回の実証に参加するANREALAGEとTOMO KOIZUMIは自身のブランドのファッションアイテムをデジタルアイテムとしてNFT化した実績がある。

NFTとは

「NFT(Non Fungible Token:ノンファンジブル・トークン)」とは、代替が不可能なブロックチェーン上で発行されたトークンを指す。NFTの規格で発行されたトークンは、そのトークン1つ1つで個別の価値を持つ。そのためNFTを画像や映像などのデジタルデータと紐付けることで、デジタルデータの個別の価値を表現することに活用されている。

なおNFTという言葉は現在幅広く活用されており、活用するブロックチェーンやマーケットプレイスの種類によって、その機能や表現できる価値が異なる可能性があることには留意が必要だ。

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参考:スタートバーン

Source: https://www.neweconomy.jp/posts/195633