シグナム銀行がウォーホルのマリリンを証券トークン化
スイスのデジタル銀行シグナム(Sygnum)と、アート投資企業アルテムンディ(Artemundi)が提携し、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)のアートワーク『Four Marilyns(Reverseal):フォーマリリン(反転シリーズ)』の証券トークン化を11月4日発表した。
シグナム銀行のトークン化プラットフォーム「ディシグネイト(Desygnate)」で、アート・セキュリティ・トークン(AST)として、機関投資家をはじめとした同行の顧客にのみ提供されるとのこと。
今回発行されたトークンは5000個で、トークン保有者は現在約8.4億円(570万スイスフラン)で販売されている『Four Marilyns(Reverseal)』の分割所有権を有することができる。なおトークン保有者は、スイスのDLT法の枠組みのもと、その所有権は完全に認証されたものになるとのことだ。
なおこのASTは、シグナム銀行のデジタル資産取引プラットフォーム「SygnEx」を通じて2次流通取引が可能だ。また全ての取引における決済は、同行発行のステーブルコイン「デジタルスイスフラン(DCHF)」が利用されるとのこと。
ちなみに今回トークン化された『Four Marilyns(Reverseal)』はマリリン・モンローの映画「ナイアガラ」の広報写真をもとに作られたアンディ・ウォーホルの代表的なシリーズのひとつだ。ウォーホルが得意とするシルクスクリーン技術を使い、マリリン・モンローの象徴的なイメージをモノクロで4回繰り返したもの。ウォーホルは言わずと知れた20世紀を代表する芸術家で、Sotheby’s Mei Moses indexによるとウォーホルの作品は2003年から2017年の間に年平均14.2%上昇しているとのこと。
シグナム銀行のトークン化責任者であるファトマイア・ベキリ(Fatmire Bekiri)氏は「ウォーホルの象徴的作品であるFour Marilynsは、映画黄金時代の最も輝かしいスターの1人を不滅にするものだ。私たちはブロックチェーン技術を活用することで、いつの日かこのような世界的に有名な絵画を所有することを、ウォーホルが有名にしたようなトマトスープの缶を買うのと同じくらい簡単にできる未来を築いていく」とコメントしている。
アルムンディのCEOハビエル・ルンブレラス(Javier Lumbreras)氏は「非常にユニークで普遍的な認知度の『独占』ともいえる弊社の戦略的ポートフォリオは、アーティストたちの名作で構成されている。彼らには何世代にもわたって成長を続けてきた実績がある」と述べている。
なおシグナム銀行とアルムンディは昨年7月にも、ピカソの絵画『Fillette au béret:ベレー帽の少女』をトークン化している。
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参考:シグナム銀行
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Ayman-Haykal
Source: https://www.neweconomy.jp/posts/272520