アバランチ上に「プライベートデット」市場プラットフォーム構築へ
ルクセンブルク拠点にデジタル証券プラットフォームを開発しているDEFYCA(デファイカ)が、アバランチ(Avalanche)ブロックチェーンのメインネット上にプロトコルを3月中にローンチする予定だ。アバランチの開発を主導する米アバラボ(Ava Labs)が3月10日に発表した。
DEFYCAは、ルクセンブルグの金融規制当局CSSF(ルクセンブルク金融監督委員会)に認可されたデジタル資産証券会社。
同社が開発しているのは、従来の債務証券やローンポートフォリオをトークン化された資産としてオンチェーン化するプロトコル。これにより機関投資家向けのプライベートデットマーケットプレイスを提供する予定だという。
なおプライベートデットとは、相対的に信用力の低い企業に対して、銀行以外の主体が投資家から集めた資金を融資の形で貸し出すことである。なおDEFYCAによると、プライベートデットを運用する「プライベートデットファンド」は1.6兆ドル(約218.5兆円)のAUM(運用資産)を保有しているとのことだ。
このマーケットプレイスにより、通常は機関投資家向けに確保されている不透明な民間債務市場から、市場参加者とDeFi(分散型金融)プロトコルを証券化された本物の利回りにアクセスできるようにするとのこと。またDEFYCAは、DeFiと機関投資家向け金融の橋渡しをすることで、オンチェーン金融におけるボラティリティの課題を解決し、従来の市場における取引活動の高速化を実現するとも述べている。
発表によるとDEFYCAのプロトコルでは、価格発見・負債照合・決済・支払いフローはスマートコントラクトを通じて自動的に実行されるため、証券トークン発行者にとっては投資コストと時間の両方が大幅に削減される結果になるとのこと。また市場参加者には、ステーブルコインによるリターン獲得の機会が提供されるとのことだ。
アバラボの機関ビジネス開発ディレクターであるモーガン・クルペツキー(Morgan Krupetsky)氏は「現実世界の資産とオフチェーン担保をオンチェーンに移行することは、DeFiの進化に不可欠であり、これらのアプリケーションのリスクプロファイル(リスク管理措置の検討やリスク評価の基礎とするためのもの)をより強固なものにします」とコメントしている。
なお今年2月には、ストラクチャードファイナンス(仕組み金融)のプラットフォームを開発・提供するインテイン(Intain)が、トークン化された証券を扱う「IntainMARKETS」をアバランチ(Avalanche)のサブネット上に立ち上げている。
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参考:アバラボ
images:iStocks/royyimzy・dalebor
Source: https://www.neweconomy.jp/posts/302327