オーストラリア中銀がCBDCのユースケース調査へ
オーストラリアの中央銀行であるオーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia)が、デジタル金融共同研究センター(DFCRC)と共同でCBDC(中央銀行デジタル通貨)関連プロジェクトに取り組むことを8月9日に発表した。
なおDFCRCとは、オーストラリアの産業界、大学、オーストラリア政府の共同出資により設立された研究組織。デジタルプラットフォーム上で直接かつリアルタイムな取引を可能にする「資産のデジタル化」から生じる機会を活用することを目的に活動を行っている。
今回発表されたプロジェクトでは、主にCBDCのユースケースについて重点的に調査を行うとのこと。オーストラリア準備銀行は、CBDCの技術的可能性についてはこれまでも研究を行っていたが、CBDC導入による経済効果などの具体的なユースケースおよびビジネスモデルについてはこれまであまり着目していなかったとのことだ。
プロジェクトの期間は1年間が予定されており、パイロット版のCBDCで決済サービスなどの様々なユースケースを導入し評価するとのこと。なおこのプロジェクトにはオーストラリア財務省も運営委員会のメンバーとして参加するという。
このプロジェクトについて、準備銀行のマイケル・バロック(Michele Bullock)副総裁は「私たちは、CBDC がオーストラリアにもたらす潜在的な利益をより良く理解するために、広範な産業界 の参加者と関わることを楽しみにしています」とコメントしている。
またDFCRCのCEOであるアンドレアス・ファーチェ(Andreas Furche)氏は「CBDC は、もはや技術的な実現可能性の問題ではありません。今、重要な研究課題は、CBDCがどのような経済的利益を実現できるか、そして、その利益を最大化するためにどのように設計できるかです」と述べている。
オーストラリア準備銀行は2021年9月より、国際決済銀行、マレーシア国立銀行、シンガポール金融管理局、南アフリカ準備銀行と共にCBDCの国際決済テストを行っている。
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参考:オーストラリア準備銀行
デザイン:一本寿和
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/251287