イーサリアム(ETH)メインネットの「シャドーフォーク」完了、次期アップグレード「シャンハイ」に向け

イーサリアムがシャンハイに向けたシャドーフォーク完了

イーサリアム(Ethereum)の次期大型アップグレード「シャンハイ(Shanghai:上海)」に向け、メインネットの「シャドーフォーク」が1月23日実施された。

イーサリアム財団(Ethereum Foundation)の開発者マリウス・ファン・デル・ワイデン(Marius Van Der Wijden)氏によると、フォークが発生してから数時間でノードクライアントの「ゲス(Geth:Go Ethereum)」で、システム構成が適用されない等いくつかの問題が確認されたとのこと。しかし現在では無事に「シャドーフォーク」の適用は完了したという。ただし以後も耐性テストを継続していくとのことだ。

なお「ゲス」はイーサリアムのバリデータノードとして最も利用されているクライアントであり、全体のうち80%以上のノードが「ゲス」である。

「シャンハイ」では改善提案「EIP-4895」が実装される予定だ。この改善案の実装により、昨年9月の大型アップグレード「マージ(The Merge)」以前よりビーコンチェーン(PoSのチェーン)にステーキングされているイーサ(ETH)とステーキング報酬の引き出しのロックが解除されることになる。

「シャンハイ」実施の暫定目標時期は今年3月に設定されている。

なおこの「シャンハイ」は、現在繋がっているブロックチェーンを分岐し後方互換性の無いアップデートとなる「ハードフォーク」を伴う大型のアップグレードが必要であることが分かっている。

また「シャドーフォーク」とは、分岐前の元チェーンの既存状態を使用してテストする為に意図的にブロックチェーンを分岐をさせること。今回の「シャドーフォーク」ではメインネットを分岐させることで、本番環境と同様の条件にてネットワークアップグレードのテストが行える。

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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/290708