「GYEN」のGMOトラスト、野村證券らの機関投資家向けカストディアン「コマイヌ」と提携

GMOトラストがコマイヌと提携

ステーブルコイン「ジーエン:GYEN(GYEN)」および「ゼットユーエスディー:ZUSD(ZUSD)」を発行するGMO-Z.com Trust Company(GMOトラスト)が、機関投資家向けのデジタル資産カストディサービス提供のコマイヌ(Komainu Holdings)との提携を3月6日発表した。

今回の提携により機関投資家は、コマイヌのカストディ(管理・保管)の下で「GYEN」および「ZUSD」を活用できるようになったとのこと。

GMOトラストは、GMOインターネットの連結会社で米国現地法人だ。同社が発行する「GYEN」は、米銀行法規制を遵守した円ペッグ通貨(法定通貨の日本円に担保された法定通貨担保型)であり、また「ZUSD」は同じく米銀行法規制遵守の米ドルペッグ通貨(法定通貨の米ドルに担保された法定通貨担保型)である。なお共にニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)が承認した規制対象のステーブルコイン。日本国外で流通しており、日本国内居住者への販売はされていない。

またコマイヌは、野村證券・デジタル資産管理会社のコインシェアーズ(CoinShares)・デジタル資産セキュリティ会社のレジャー(Ledger)によるジョイントベンチャー(JV)だ。コマイヌは、英領ジャージー島のジャージー金融サービス委員会(JFSC)およびアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ仮想資産規制局(VARA)からの規制の下、機関投資家向けに暗号資産(仮想通貨)などのデジタル資産のカストディサービスを提供している。

GMOトラストのCEOである中村健太郎氏はリリースにて「私たちは、規制されている日本円と米ドルのステーブルコインと最先端のコンプライアンス・カストディ・ソリューションの橋渡しをすることで、機関投資家のお客様がデジタル資産の活用を検討するための革新的な道を開くと信じています。私たちは、日本の伝統を共有する企業とのコラボレーションを特に楽しみにしており、これがAPAC地域だけでなくグローバルにそれぞれのフランチャイズを発展させることを期待しています(冒頭略)」とコメントしている。

「GYEN」および「ZUSD」はイーサリアム(Ethereum)ネットワークとステラ(Stellar)ネットワークにて発行されている。

両銘柄は2021年3月にリキッドグローバル(Liquid global)、同年9月にINXに上場している。また「GYEN」については2021年5月にバイナンス(Binance)、同年11月には米コインベース(Coinbase)にも上場している。なおバイナンスに関しては上場時の急激な価格高騰のため取引停止となり、現在も取扱は停止されている。

また「GYEN」はユニスワップV3(Uniswap V3)やスシスワップ(SushiSwap)といったDEX(分散型取引所)でも取り扱われている。

現在の「GYEN」の時価総額は約27.2億円で「ZUSD」は約1.9億円となっている。

なお「GYEN」と「ZUSD」の価値の裏付となる資産の証明は、外部の公認会計士が行っており、連邦預金保険公社(FDIC)の被保険銀行に保管されている法定通貨による裏付けがされていることを公的な監査により証明した上で、毎月監査レポートを通じて開示しているとのことだ。

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参考:GMOトラスト
デザイン:一本寿和

images:iStocks/Lidiia-Moor

Source: https://www.neweconomy.jp/posts/301371