アウディがサーキュライズと連携し、廃棄自動車の循環経済性を検証
独高級車メーカーのアウディ(Audi)による、廃棄自動車の循環経済性を検証する「マテリアルループプロジェクト(MaterialLoop project)」において、蘭サーキュライズ(Circularise)のブロックチェーントレーサビリティシステムが利用されたことが3月3日発表された。
サーキュライズでは、同社開発のブロックチェーントレーサビリティシステムにより、個別の商品に関する原材料調達からリサイクルに至るまでライフサイクル全体にアクセスできるデータ「デジタル製品パスポート」を企業に対し提供している。
サーキュライズによると今回実施された検証は、廃棄車両に使われている使用後の材料を新車の生産に再利用する可能性の調査を目的とした試験プロジェクトとのこと。材料のダウンサイクル(元々の製品より価値を下げた再利用)を回避して持続可能な廃棄車両のリサイクル方法を実現することを目的に、アウディの他に研究・リサイクル・サプライヤー分野における14のパートナーがプロジェクトに参加したという。
解体後の車体は細断され、スチール・アルミニウム・プラスチック・ガラスからなる材料群に分類されるというが、サーキュライズはこの車体の解体から材料のリサイクル、そして新車への再利用するまで全ての材料の動きを追跡するため、同社のブロックチェーントレーサビリティシステムをプロジェクトへ提供したとのことだ。
なおサーキュライズのトレーサビリティシステムは、ブロックチェーン技術とゼロ知識証明をベースにサーキュライズが独自開発した「Smart Questioning」技術により、製品の設計・仕様、加工条件、リサイクル履歴等のトレーサビリティ関連情報やカーボンフットプリント、リサイクル比率等の資源効率を示すデータ、企業のSDGs対応情報、第三者認証情報といった環境対応指標を、機密性を保ちながら選択的に開示することでサプライチェーンの透明化に貢献しているとのこと。
このトレーサビリティシステムは21年2月、国内企業の丸紅が日本とアジアの化学品市場向けに展開するための業務提携契約を締結している。
またサーキュライズは昨年11月にシリーズAラウンドで1100万ユーロ(約15.9億円)の資金調達を完了。この資金調達ラウンドにはブライトランズ・ベンチャー・パートナーズ(Brightlands Venture Partners)を中心に、旭化成、フィンランドのエネルギー企業のネステ(Neste)、オランダに拠点を置くVCファンドのフォーインパクトキャピタル(4impact capital)が出資参加したという。またこの調達資金には欧州委員会からの助成金も含まれるとのことだ。
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参考:サーキュライズ
デザイン:一本寿和
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/301399