zkSync2.0が「zkSync Era」に改名、新たな開発フェーズ到達発表も

zkSync Eraがフェアオンボーディングアルファ到達

ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zk)を活用したイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2技術「zkSync2.0(ジーケーシンク2.0)」のメインネット開発にあたり、第2段階目の開発フェーズとなる「フェアオンボーディングアルファ(Fair Onboarding Alpha)」に到達したことが、「zkSync(ジーケーシンク)」を開発する「マター・ラボ(Matter Labs)」より2月16日発表された。

またマター・ラボは、「ジーケーシンク2.0」と前バージョンの「zkSync1.0(ジーケーシンク1.0)」を区別する為、「ジーケーシンク2.0」を「zkSync Era(ジーケーシンクエラ)」に改名し、「ジーケーシンク1.0」を「zkSync Lite(ジーケーシンクライト)」に改名したことも併せて発表している。

なお「ジーケーシンクエラ」のメインネットの最終的な立ち上げまでには、3段階のプロセスで行われることになっている。

第1段階である「ベイビーアルファ(Baby Alpha)」には昨年10月に到達し、監査が実施された。そして今回第2段階となる「フェアオンボーディングアルファ」へ開発フェーズが進んだ。そして最終段階となる「フルローンチアルファ(Full Launch Alpha)」に到達することで「ジーケーシンクエラ」がローンチする予定となっている。

なお「フルローンチアルファ」の実施時期については、近日公開となるようだ。

マター・ラボは、今回の「ジーケーシンクエラ」の「フェアオンボーディングアルファ」到達により次の4つに取り組むとのことだ。

(1)事前登録されたプロジェクトが「ジーケーシンクエラ」でdapps(分散型アプリケーション)をデプロイしてテスト可能にする
(2)テストおよび展開目的での限定的な使用で、トークンブリッジングを有効にする
(3)セキュリティ監査、コンテスト、バグバウンティプログラム(バグ報奨金制度)を引き続き実行する
(4)プラグイン、ドキュメント、チュートリアル、FAQなどの開発者ツールを改善する

なお現在「ジーケーシンクエラ」では、同ネットワークでの起動に向けた各プロジェクトの開発者が、クローズドな環境でアプリケーションを展開してテストできるようにする為、エンドユーザーについては「ジーケーシンクエラ」にアクセスできないとのこと。

また「ジーケーシンクエラ」は主要オープンソースライセンス「Apache2.0(アパッチ2.0)」としてオープンソース化されたとのことだ。

「ジーケーシンクエラ」とは

まず「ジーケーシンク」の特徴としては、「ZK Rollup(ジーケーロールアップ)」のアーキテクチャを採用することで、レイヤー1であるイーサリアムのセキュリティ設計を継承している。

そして「ジーケーシンクエラ」ではメインネットローンチのタイミングで、イーサリアムバーチャルマシーン(Ethereum Virtual Machine:EVM)と互換性を持つようになり、またライブプロダクション環境で利用できるEVMスマートコントラクト用の最初のゼロ知識証明を活用したスケーリングソリューションになる方針とされている。

なおマター・ラボは昨年11月、シリーズCラウンドで約280億円(2億ドル)の資金調達実施についてと「zkSync2.0」のメインネット立ち上げに向けてスマートコントラクト監査会社「オープンゼェッペリン(OpenZeppelin)」と提携したことを併せて発表していた。

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参考:Matter Labs
デザイン:一本寿和
images:iStock/NeoLeo

Source: https://www.neweconomy.jp/posts/297112