ジャンプクリプトがソラナのバリデータークライアント開発
米シカゴ拠点のブロックチェーンインフラ開発組織であるジャンプクリプト(Jump Crypto)が、ソラナネットワーク(Solana Network)用の新しいオープンソースバリデータクライアントの開発開始を8月17日発表した。ソラナネットワークのスループット(データ処理能力)と信頼性を高める取り組みとのこと。
なおバリデータクライアントとは、ユーザーがバリデーターとしてブロックチェーンに参加するために利用するソフトウェアのこと。またバリデータとは、プルーフオブステーク(PoS)のブロックチェーンにおいて記録されるデータに不正がないかを検証するノードのこと。バリデータとしてネットワークに貢献することで一定額の報酬を得ることも可能だ。
今回ジャンプクリプトが開発着手したバリデータクライアントは「Firedancer(ファイアダンサー)」と名付けられており、「C++言語」による設計が計画されているとのこと。
現在のソラナネットワークのバリデータクライアントは、「Rust言語」をベースにソラナラボ(Solana Labs)によって設計されたものが利用されており、今回開発が発表されたものは従来のものとは全く別のソフトウェアとなる。
今回新たなバリデータクライアントを開発し導入することは、ソラナネットワークにとって長期的な分散化における重要なステップであると説明されている。
また発表によるとこの「Firedancer」開発プロジェクトは、ジャンプクリプトの最高科学責任者ケビン・バウアーズ(Kevin Bowers)氏が監督するとのことだ。
ソラナネットワークの共同設立者アナトリ―・ヤコヴェンコ(Anatoly Yakovenko)氏は「ジャンプクリプトのエンジニアがネットワークに新しい視点をもたらし、ネットワークの回復力と効率化に貢献できることに興奮しています」とリリースで述べている。
ジャンプクリプトは、自己勘定取引を提供するシカゴの企業であるジャンプトレーディンググループ(Jump Trading Group)の暗号資産部門であり、過去にはイーサリアムネットワークからソラナネットワークに資産を移動させるためのサービスである「ワームホール(Wormhole)」がハッキングされた事件で、ワームホールに3.2億ドル相当のイーサリアム(ETH)を提供し支援を行っていた。
またジャンプクリプトは、ソラナキラーと呼ばれる新たなブロックチェーンであるアプトス(Aptos)の主要な支援者であることも知られているが、今回ソラナに関する取り組みを行っている。
関連ニュース
L1ブロックチェーン開発「Aptos」、FTXやJump Cryptoらから約204億円調達
ブリッジプロトコル「Wormhole」、ハッキングで約373億円相当流出。DeFiでは過去最大額
ソラナ(Solana)ハッキング続報、原因はSlopeウォレットか、SOL価格にほぼ影響せず
参考:ジャンプクリプト
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Kinwun・fongleon356
Source: https://www.neweconomy.jp/posts/252713