中国、身元確認のための分散型IDプラットフォーム立ち上げ

「実名DID」システムを発表

中国で国家支援のもと開発されている「ブロックチェーンサービスネットワーク(BSN)」が、ブロックチェーンベースの身元確認情報(ID)検証プラットフォーム「実名DID(RealDID)」を立ち上げたことを12月9日発表した。

発表によれば、「実名DID」により14億人の中国国民の実名属性を追跡可能な分散デジタルIDが発行される。

「実名DID」のサービスにより中国国民はDIDアドレスと秘密鍵を使用して、各種ウェブサイトに匿名で登録・ログインが可能。また同サービスでは、ビジネスに関するデータやトランザクションが個人情報と切り離された状態であることも保証されるとのこと。

BSNは発表にて、「実名DID」が世界初の国家レベルの実名分散型IDシステムだと述べている。なお具体的な提供時期などは不明だ。

中国のインターネットシステム事情

中国では全てのインターネットシステムにユーザーの身元確認を要求しており、また違法した場合には規制当局が介入することになる。そのため、中国の管理ができず、だれでも参加可能なパブリックチェーンの利用はできない。

「BSN」は、チャイナ・モバイル(中国移動通信)、チャイナユニオンペイ(中国銀聯)、ステート・インフォメーション・センター(SIC)といった国営企業である3社の支援のもとに、中国のテクノロジー企業であるレッド・デーツ(Red Date Technology)が開発したブロックチェーンネットワークだ。

また「BSN-DDC(BSN-Distributed Digital Certificate)」を利用することで、企業と個人にAPIを提供し、ユーザーがNFTを管理するためのポータルやアプリケーションを独自に構築可能だ。

「実名DID」は、BSNの開発チームと、中華人民共和国公安部(同国の警察を担当する中央官庁)が全額出資するテクノロジー企業「中屯安信」と中国移動設計研究院が協力して立ち上げている。

各種ウェブサイトでの履歴が一つのIDで当局に把握可能な面において「実名DID」は、プライバシー擁護の点から懸念が浮上するとの見方もある。

BSNのブロックチェーンサービス・ネットワークと、CTIDデジタル・アイデンティティ・チェーンという2つのインフラを完全に統合し、「フロントオフィスでは匿名、バックオフィスでは実名」という管理要件を満たしている。

ちなみにCTIDとは、住民IDカードに含まれる識別情報(名前、ID 番号、有効期限など)をアプリ化したもの。中国の公安部のネットワークと身分証プラットフォームの個人情報を連携し、顔認証システムなどで身元確認を実行する。

CTIDプラットフォームは政務や国民生活、交通・旅行、医療・ヘルスケア、金融サービス、デジタル通信など多くの分野で活用されているという。

BSNは、「実名DID」について、匿名ログインの他、個人データがプラットフォーム間で転送される際に暗号化される「暗号化サービス」や、ビジネスプラットフォームが個々のユーザーにビジネスDIDを提供することをサポートする「ビジネスDIDサービス」などの機能を用意していると説明。

またビジネス・プラットフォームが特定のユーザーのデータで他のビジネス・プラットフォームとやり取りする際に、ユーザーはプライバシーを保護しながら、ビジネス処理を完了することが可能になると説明している。

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参考:発表
images:iStocks/Smederevac

Source: https://www.neweconomy.jp/posts/358696