10/29~11/4週のサマリー
- ヴァルキリー・インベストメンツがビットコイン現物ETF「Valkyrie Bitcoin Fund」の登録申請を修正
- 日銀金融政策決定会合にて、長期金利の上限が「1.0%目途」に修正される
- FOMCで2会合連続のFF金利誘導目標の据え置きが決定され、利上げ打ち止め観測が広まる
- 年次カンファレンス「Breakpoint 2023」にてバリデータークライアントFiredancerのテストネット稼働を発表したSOL、「Ripple Swell 2023」の開催を8日に控えたXRPがアウトパフォーム
暗号資産市場概況
10/29~11/4週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+1.58%の5,208,300円、ETH/JPYの週足終値は同+3.10%の275,725円であった(※終値は11/4の当社現物EOD[11/5 6:59:59]レートMid値)。
前週末に暗号資産デリバティブ取引所Deribitのオプションカットオフ、CMEビットコイン先物(10月限)期日といった月末要因により34,000ドル付近で上値を抑えられていたBTCは、SOL, XRPなどのアルトコインに対する循環物色やイスラエル軍のガザ地区地上侵攻に伴う資産逃避需要にサポートされ、底堅い週初となった。
30日深夜には、日銀金融政策決定会合にてYCC再修正が議論されるとの報道がなされ、ドル円が148円台まで円高進行したことで、円建て暗号資産価格が一時アンダーパフォームする場面が見られた。
決定会合では長期金利の上限が「1.0%目途」へと修正され、1.0%超えが事実上容認された格好となったが、市場では不十分との見方もあり、再び円安が進行。同日、10月の外国為替平衡操作(いわゆる為替介入)実施状況も公表され、介入額が0円であったと判明すると更なる円安進行とともに一転して円建て暗号資産がアウトパフォームした。
週央1日には米10月ADP雇用統計が発表され、雇用・賃金の伸び鈍化が確認されるとBTCは一時35,000ドルを突破。しかし、直後にFOMCを控えていたほか、米9月JOLTS求人件数が市場予想を上回り、金利の高止まり警戒感が再燃したことで即座に値を戻す形となった。
注目されたFOMC(日本時間2日)では、2会合連続でFF金利誘導目標の据え置き(5.25~5.50%)が決定され、パウエルFRB議長は追加利上げの余地を排除しなかったものの、市場では利上げ打ち止め観測が広まった。FOMC結果を受けて、年内最後となる12月会合から24年3月会合にかけて20%程度織り込まれていた1回(25bp)の追加利上げ観測は5%程度まで剥落し、ドル安・金利低下となった。
個別暗号資産では、年次カンファレンス「Breakpoint 2023」にてバリデータークライアントFiredancerのテストネット稼働が発表され、スケーラビリティの大幅な向上が期待されたSOLや「Ripple Swell 2023」の開催を8日に控えたXRPがアウトパフォームした。
今週はBTCが、先週の34,000ドルに引き続き、35,000ドルへの下値切り上げに成功するかに注目したい。また、ヴァルキリー・インベストメンツがビットコイン現物ETF「Valkyrie Bitcoin Fund」の登録申請を修正する(日本時間31日)など、ETF承認に向けた動きも継続しているため、今後もETF絡みのヘッドラインには注視しておきたい。
BTC/USD週間チャート(30分足)
BTC/JPY週間チャート(30分足)
SOL/USD(紫色), XRP/USD(青色)週間騰落率比較
10/29~11/4週の主な予定
11/5~11/1週の主な出来事
今週のひとこと「注目のコインは?~Solana(ソラナ)~」
Solanaは2017年にAnatoly Yakovenko氏によって考案されたブロックチェーンプラットフォームです。
PoH(プルーフ・オブ・ヒストリー)と(PoS)プルーフ・オブ・ステークのハイブリッドコンセンサスメカニズムが特徴で高速で拡張性の高いネットワークを実現しています。また、既存のブロックチェーンプラットフォームが抱えるスケーラビリティ問題を解決する可能性を秘めており、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)などの分散型アプリケーションの開発プラットフォームとしても注目を集めています。
直近では、「Solana Breakpoint 2023」にてバリデータークライアント「Firedancer」がテストネットで稼働していることが発表されSOL価格が急伸しました。
現在、時価総額ランキング7位(CoinMarketCap調べ)に位置するまで成長しており、直近の上昇だけみますと、約1か月で倍の価格水準となっています。以前FTXの元CEOサム・バンクマン・フリード氏が支援していたことから、FTXの破綻に伴い厳しい視線が注がれていましたが、そういった連想も払拭されつつあるのかもしれません。長期目線で見た価格帯は2年前と比較した場合では、まだ約1/5の価格水準です。
Solanaは、これからもブロックチェーン技術革新と普及に貢献するプロジェクトとして、今後も成長していく可能性が高いといえるでしょう。
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Source: https://www.neweconomy.jp/features/sbivct/350399