ヴィタリックがガスリミット最大値の引き上げを提案
イーサリアム(Ethereum)の共同創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、同ネットワークの容量やスループットの向上を目的に、ガスリミットの最大値引き上げを1月10日に提案した。
同氏は今回、ガスリミットを現在の値より33%引き上げた4000万に設定することを提案しており、「現在でも適切なガスリミットの引き上げは合理的だと思う」と語っている。
ガスリミットは、単一のトランザクションの実行に費やすことが可能なガスの上限値のこと。最大値を引き上げることでより大きな計算を必要とするトランザクションの実行や、より複雑なスマートコントラクトの処理が可能になる。
ただしガスリミットは大きすぎると、ブロック毎のデータ量が大きくなりすぎるためハードウェアへの負荷が増加し、ネットワークのパフォーマンスや同期に悪影響を与える可能性があるという。そのため適切な値に設定する必要がある。
なおイーサリアムでのガス代は、ガス価格(Gas Price)に使用したガス量を乗じて算出される。ガスリミットはこの時の使用するガス量の上限を表すもので、トランザクションではこのガスリミットとして設定した値までのガス代を使用する。
またガス代は、トランザクションの処理時の計算量などに応じて、ガスリミットを上限として使用するガス量が増加する仕組みとなっている。
なおイーサリアムのガスリミットの最大値は、約3年前に現在の値である3000万に変更されてから引き上げられていない。
ヴィタリックは定期的にイーサリアムの改善のために提案を行なっている。昨年末にはイーサリアムのフォーラムとして使用される「イーサリアムリサーチ(Ethereum Research)」にてイーサリアムで現在採用しているコンセンサスアルゴリズム「プルーフオブステーク(PoS)」を簡素化する提案を行っている。
なお今回の提案は、米大手掲示板サイト「レディット(Reddit)」で行われたイーサリアム財団(Ethereum Foundation)の研究チームによる第11回AMA(Ask Me Anything)で行われた。
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参考:イーサリアム財団AMA
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/363652