今週もSBI VCトレード提供の暗号資産(仮想通貨)に関するウィークリー・マーケットレポートをお届けします。
2/4~2/10週のサマリー
- BTC/JPY価格はETF承認時の高値まで上昇。約一か月ぶりとなる700万円台に到達
- イーサリアムの3つ目のテストネット「Holesky」での実装が完了し、Dencunアップグレードが3/13に決定
- 米国のS&P500種指数が2/9の終値で史上最高値となる5,026.61ポイントを付ける
暗号資産市場概況
2/4~2/10週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+12.08%の7,148,300円、ETH/JPYの週足終値は同 +7.71%の367,140円であった(※終値は2/10の当社現物EOD[2/11 6:59:59]レートMid値)。
前週の暗号資産市場は、米国3月利下げの織り込みが後退する中でBTC/USDは43,000ドルを挟んだ展開からのスタート。5日の米1月 ISM非製造業景況指数が市場予想を上回ると利下げ観測がさらに後退し42,000ドル台まで下落。しかし週央に揉み合いのレンジを上抜けすると、その後は上昇幅を拡大する展開へと相場状況が一変。週末にかけてビットコイン現物ETF承認後の下落を回復する動きを見せ、価格を48,000ドル付近へと伸長させた。
BTCの上昇の背景としては、米国企業好決算によるリスク性資産への資金流入のトレンドや、前週より継続したビットコイン現物ETFへの安定的な資金流入が確認されたことが挙げられる。
ビットコイン現物ETFの資金フローについては、懸念されていたGrayscaleのETF(GBTC)からの資金流出の圧力も鈍化傾向であることが確認され、ネットフローは安定的なプラス(流入超)を維持。2/9取引では初日を除く純流入額としては過去最高額の5億4千万ドルを記録し、ビットコイン現物ETF全体への資金流入の拡大が相場を後押しする格好となった。
またBlackRockのETF(IBIT)・FidelityのETF(FBTC)については米国市場全体の年初来ETF資金流入額ランキングでTop10入りを果たしており(2/11日執筆時点)、ビットコイン現物ETFへの良好な資金流入は暗号資産を既存のリスクアセットと比較しても遜色のないものとして市場参加者が捉えていることもポジティブな材料となっている。
アルトコイン市場では、注目されていたイーサリアムブロックチェーンの「Dencun」アップグレードが3つ目のテストネットである「Holesky」に実装されたことにより、メインネットでの次回アップグレードの日程も決定した(※テストネットについては文末「今週のひとこと」にて追加説明有)。
「Dencun」アップグレードの順調な進捗によりETHも堅調な動きを見せ、暗号資産市場上昇の追い風となった。一方でSolanaネットワークに大規模な障害が発生し、約5時間のネットワーク停止という事象に見舞われることとなったものの、相場を大きく下押しする展開には至らなかった。
今週は米1月消費者物価指数(CPI)の発表を控えている。市場予想では数値が上振れることは想定されていないものの、このところの米国経済指標が市場予想を上回る結果になることが複数回確認されており、BTCの価格も高値圏で推移していることから、リスクオンムードの中での調整局面には十分に注意したい。
BTC/USD週間チャート(30分足)
[BTC/JPY週間チャート(30分足)]
ビットコイン現物 ETF のネットフローと運用資産残高合計
ETF年初来の資金流入金額ランキング
2/4~2/10週の主な出来事
2/11~2/17週の主な予定
【今週のひとこと】テストネットとメインネット
先週2月7日にイーサリアムブロックチェーンのDencunアップグレードの最終リハーサルが、「Holesky」テストネットで行われました。
イーサリアムのアップグレードが行われる際に必ず目にする言葉が「テストネット」です。テストネットとは、開発者がメインネット=本番環境へデプロイする前にテスト目的で使用するブロックチェーンネットワークです。イーサリアムのテストネットは主に3種類あり、Goerli・Sepolia・Holeskyです。
今回のDencunアップグレードにおいても、2024年1月17日にGoerli、1月30日にSepolia、2月7日にHoleskyにてネットワークのアップグレードが行われました。3つのテストネットでアップグレードが問題なく実装されたことから、イーサリアム開発コアチームはDencunアップグレードのメインネット実装日を2024年3月13日に設定しました。
ブロックチェーンの開発においてテストネットの存在は非常に重要であり、テストネットでの試行と検証の上にメインネット=本番環境が成立しているといえるでしょう。
このレポートについて
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Source: https://www.neweconomy.jp/features/sbivct/370470