SafeMoon社幹部、暗号資産関連の詐欺容疑にて米国で起訴＝ロイター

SECからの告発も

暗号資産（仮想通貨）プロジェクトセーフムーン（SafeMoon）の創業者と2人の経営トップが、数千万ドルの投資家資金を流用した詐欺容疑で米司法省に起訴された。創業者らは、贅沢品を購入し私腹を肥やすために資金を不正流出した。

セーフムーンは、その名を冠した「SafeMoon」トークンを発行しており、同トークンはその評価額が80億ドル（約1.2兆円）を超えたこともある。

米ブルックリンで11月1日に公開された起訴状では、創業者のカイル・ナジ（Kyle Nagy：35歳）氏、最高経営責任者のブレーデンジョン・カロニー（Braden John Karony：27歳）、元最高技術責任者のトーマス・スミス（Thomas Smith：35歳）が、証券詐欺、電信詐欺、マネーロンダリングを共謀したとして、それぞれ3つの刑事訴追を受けている。

また米国証券取引委員会（SEC）は、ユタ州プロボを拠点とする「SafeMoon」トークンの無登録販売の疑いで、被告らに関連する民事告発を行った。

セーフムーンと個々の被告の弁護士は、ロイターのコメントの要請に直ちに応じなかった。

2021年3月に1,000兆トークンをミントして設立されたセーフムーンは、トークンの流動性を高めるため、投資家の資金はプールに安全に「ロック」され、誰も引き出すことができないと投資家に約束して嘘をついたとされる。

法廷文書によると、セーフムーンは投資家に対し、トークンの機能によって「価格が史上最高値を更新し」、「安全に月まで到達する」とも約束したという。

しかしながら、それは実現することなく、投資家たちはプールがロックされていないことを知って大きな損失を被った。その一方で被告たちは資金を引き出してマクラーレンやポルシェの高級スポーツカーや豪邸を購入したり、高価な旅行をしたと捜査当局は述べている。

ニューヨークの国土安全保障捜査局担当捜査官であるイワン・アルヴェロ（Ivan Arvelo）氏は声明にて、「飽くなき貪欲さ」だと述べている。

起訴状には、スミス氏が流動性プールに追跡可能なトークンを売却した後、被告らと高級車を購入しようと話し合った際、匿名の共謀者に対しスミス氏が「よお、やってやったな（BRO WE DID IT）」と話したことがあると引用されている。

コインマーケットによると、セーフムーンの11月1日の評価額は約5000万ドル（約75億円）で、告発が発表された後、その価値は半分以下になった。

カロニー氏はユタ州のプロボ、スミス氏はニューハンプシャー州ベツレヘムで逮捕された。なおナジ氏は逃走中だ。

SECのゲイリー・ゲンスラー（Gary Gensler）委員長は、暗号資産における投機的な過度の取引は、米国の資本市場における投資家の信頼を損なうと述べている。

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