Mantleとは?
Mantleは、ガバナンス(Mantle Governance、旧BitDAO)によって、 $MNTトークン保有者がプロダクトや取り組みのロードマップを決定・管理する総合的なブロックチェーン・エコシステムだ。主要プロダクトに初のモジュラー型Layer2であるMantle Networkがあり、2023年7月のメインネット稼働以来、さまざまなdAppsによるエコシステムが形成されている。
そしてMantleは、2023年12月に新しいプロダクトであるMantle Liquid Staking Protocol(LSP)をリリースした。ユーザーはETHをステークすることでリキッドステーキングETHトークン「mETH」を受け取れ、ネイティブAPYに加え、さまざまなDeFi戦略で運用することもできる。
この記事ではMantleのLead DeFi GrowthであるGabe氏が、「KudasaiJP」にて昨年12月に日本ユーザー向けに行なったAMA(Ask Me Anything)の内容をお届けする。
Mantleエコシステムに新しいリキッドステーキング・プロトコル誕生。その優位性は?(AMA本編)
Q:Mantleの簡単な紹介をお願いします。
MantleのDeFi Growthを率いています、Gabeと申します。
Mantle Networkは、ハイパースケーラブルなイーサリアムL2オプティミスティックロールアップであり、初のモジュラー式EVMロールアップでもあります。
これにより、イーサリアムによる安全性を確保しながら、Mantle DA(Mantle Networkの大幅な手数料削減と高スループットの維持を可能にするデータアベイラビリティモジュール)を支えるEigenDAのような最先端技術をいち早く採用することができます。
*スループット:コンピュータやネットワーク機器が単位時間あたりに処理できるデータ量のこと
参考:KudasaiJPにて2023年2月に行われたMantleに関するAMAのまとめ
Q:Mantleでは、新しいプロダクトをリリースしたそうですが、そのプロダクトについて説明してください
Mantleは最近、Mantle LSP(Liquid Staking Protocol)と呼ばれる新しいイーサリアムのリキッドステーキングプロトコルを発表しました。 Mantle LSPは、イーサリアム L1上にデプロイされ、Mantleによって管理されるパーミッションレス、ノンカストディアルのETHリキッドステーキングプロトコルです。なおMantle Staked Ether(mETH)は価値を蓄積するレシートトークンとして機能します。
ユーザーは、ステーキングサイトにアクセスしてETHをステークし、リキッドステーキングETHトークンであるmETHを受け取ることができます。mETHは、ネイティブで~3.86%のAPYを獲得でき、さらにMantle L2 DeFiランドスケープ全体にわたるコンポーザブルなDeFi戦略で使用することができます。
Q:Mantle LSPの競争上の優位点は何ですか?
Mantle LSPはMantle Networkの中核製品です。そのため、mETHはより広く採用され、より資本効率の高いETHステーキングトークンとなることを目指していきます。Mantle L2 DeFiアプリケーション、Mantle L2コアテクノロジーパートナー、中央集権型取引所パートナーへの採用も含まれます。
目的は、MEVとトレジャリーのイールドシェアリングの探求を通じて、最高の持続可能なコアイールド(利回り)を維持することです。
Mantle LSP自体は、堅牢なセキュリティを維持しつつ、ユーザが使いやすく理解しやすい、非常にシンプルでモダンなアーキテクチャを採用しています。詳細はMantle LSPの紹介ページをご覧ください。
Q:このプロダクトのためにチームが構築した技術やプロトコルはありますか? または、チームが適用している注目すべき技術はありますか?
Mantleチームは、オープンソースコードの精神に基づき、誰もが構築できるエコシステムの基礎部分として、コアとなるMantle LSPを構築しました。
そして、PendleやEthenaのような多くの外部チームやとても才能のあるビルダーと協力し、mETHを構築して彼らのアプリケーションに統合しようとしています。これら外部のプロトコルにmETHを組み込むことにより、DeFiにおいてクラス最高の持続可能な利回りをエンドユーザーに与え、大きな利益をもたらすことを期待しています。
Q:MantleエコシステムのDeFiには、RWAやデルタ・ニュートラルなど、新しい概念を取り入れた仕組みを持つdAppsが多くローンチしています。また、今月はMantle LSPもローンチしました。Mantleの金融関連製品に関する戦略を教えてください。
Mantleは、ユーザーとビルダーがmETH(ETHステーキングによる持続可能な利回り~3.86%)やmUSD(ステーブルコインの持続可能な利回り~5.1%APY。後述)のようなコア基礎資産を通じて、クラス最高のネイティブ利回りを体験できるDeFiイノベーションの素地となることを目指しています。
大規模なMantleトレジャリーを持つという大きな利点を活用して、MantleのDAOはMantle L2上のDeFiアプリケーションと利回り生成戦略に投資し、サポートするために10億ドル以上のトレジャリー資産を利用することを決定しました(MIP-28:Mantleガバナンスで提案された「拡大戦略と流動性プログラム」に関する提案)。
その目的は、アプリケーションをサポートするための流動性を展開することで、エコシステムをサポートし、ユーザーがmETHやmUSDのようなネイティブ利回り資産を利用できるようにし、必然的に持続可能な方法でトレジャリーを成長させることです。
Q: 現在mETHをデポジットできるDeFiプロトコルはありますか?
現在すでにmETHを統合しているプロトコルは、以下です。
- FusionX
- Swapsicle
- Izumi
- MYSO Finance
- Teller
- Range Protocol
- Timeswap
また、前述したようにPendleとEthenaも、Mantleとの統合に取り組んでいます。
Q:最近、ハッキングの事件が多発しています。LSPのセキュリティ対策はどうなっていますか?
Mantle LSPは6回のセキュリティ監査を受け、現在50万ドルのImmunefiバグバウンティ(報奨金)プログラムを実施中で、プロトコルの安全性と堅牢性を保証しています。
多くの資本がMantle LSPとmETHのスマートコントラクトにロックされることになるので、私たちはMantle LSPとmETHのセキュリティを非常に重要視しています!
Q:これまでに達成した主なマイルストーンと、目標とするマイルストーンをスケジュールとともに簡単に説明してください。
2023年7月にメインネットがローンチ以来、Mantleは1860万以上のトランザクションと76万以上のユニークなアドレスがネットワーク上で確認されています。ピーク時には53,660のデイリーアクティブアドレスに達しました。そして現在までに3,461のデベロッパーが65,000以上のコントラクトをローンチしています。
L2Beatによると、Mantleのチェーンに正規ブリッジされた資産は約2億4,800万ドルあります。MantleのDeFiエコシステムに関して、Mantleは現在、40以上の異なるDeFiプロトコルで1億2283万ドル以上のTVLを保有しています。
また、直近では以下のような取り組みを行いました。
- Ondo Financeと提携してmUSD(USDYのMantleネットワーク上でのラップトークン)をローンチした
- TON WalletおよびTelegramエコシステムと統合した
- 1億5000万ドル以上のTVLを持つMantle LSPとmETHをローンチ、現在トップ10のリキッドステーキングプロトコルの1つとなった
- MIP-28を可決し、Mantle上に構築されたアプリケーションに対して10 億ドルを超えるトレジャリー資産を投入することを決定した
Q:$MNTトークンのトークノミクスと、有用性について教えてください。
$MNTトークンはMantleエコシステム内でガバナンスとユーティリティの2つの役割を担い、トークン保有者に議決権と実用的な機能の両方を提供します。
ガバナンスの面では、各$MNTトークンは等しい投票ウェイトを持ち、トークン保有者はDAOの投票に積極的に参加し、意思決定プロセスに影響を与えることができます。これにより、Mantleエコシステムの未来を形作るための分散型かつコミュニティ主導のアプローチが保証されます。
ユーティリティの面では、$MNTはMantle Networkのガス料金に利用されます。さらに、$MNTトークンはMantle Networkノードの担保資産として機能し、参加へのインセンティブをさらに高め、ネットワークのセキュリティと安定性に貢献します。
MNTのトークノミクスの詳細はこちらから確認いただけます。
Q:運営を維持するための収入源はどのように確保していますか?
Mantleは、BIP-19(Mantleの初年度予算)に従い、Mantleトレジャリーとガバナンスの利益、およびMantle Networkとエコシステムの成長と発展を促進するために、Mantleトレジャリーから資金提供を受けています。
Q:現在の投資家やパートナーはどのような方々ですか?
Mantleは現在、Pantera、Hashed、Selini Capital、Lemniscap、Spartan Group、Dragonfly Capital、Animoca Venturesなど有名企業を含むの21の戦略的ベンチャーパートナーが参加するEcoFundと緊密に連携しています。
また、MantleはBybit、Game7、HyperPlay、EduDAO、Sozu Haus、Ondo Finance、Ethena、TON、EigenLayerなどとも緊密なパートナーになっています。
Q:Mantleに関するニュースや最新情報で、私たちに伝えたいことはありますか?
Mantleエコシステムに参加したいけれど、何から始めたらいいか分からないという場合は、Mantle Journeyエコシステムインセンティブプログラムと、Mantle Moonshotに参加いただけるとと素晴らしいスタートになるでしょう。
Mantle JourneyとMantle Moonshotは、ユーザーにMantleエコシステムとそのプロジェクトを探索する機会を与え、同時にオンチェーンでプロトコルとインタラクションすることでリワードを得ることができます。現在2,500万MNTのリワードプールがあり、エコシステムに参加するユーザーとビルダーの両方に提供されています。
Mantle JourneyとMantle Moonshotの詳細については、以下のリンクからご確認ください。
また、Mantleには、mETHに関する新しいプログラムもあります:
- 12月11日の週にアーリーアダプタープログラムを発表しました。アーリーアダプターの方には、一定期間内に2倍の利回りを提供する予定です。
- mETH/mUSDラッフル(抽選)は12月22日に開始しました。参加者はラッフルに登録し、ウォレットを接続し、4日間のラウンドでWMNT/MNTを保有する必要があります。各ラウンドで、MNTの保有量とスナップショットのタイミングに応じて、参加者は賞金(mETHもしくはmUSD)を獲得するためのアクセス権を与えるラッフルチケット(最大15+1枚)を得ることができます。
KudasaiJPコミュニティからの質問
Q:今から始める場合、Mantle JourneyとMantle Moonshotのどちらを先に進めるのがよいでしょうか。
Mantle Moonshotは、週単位で開催され、新しいプロジェクトについて知っていただけのに最適なイベントです。なおMoonshotに参加した後、Mantle JourneyでMJマイルを獲得し、将来のリワードにつなげることができます!
Q:6回監査したとのことですが、6社で監査したということでしょうか?
Hexens、MixBytes、Secure3、Verilogといった4つの異なる監査会社に依頼しました。
Q:MantleはBybitとのつながりをあまり感じないのですが、これは意図したブランド戦略なのでしょうか?
BybitはMantleの緊密なパートナーの1社です。この2つの事業体は、運営面では完全に別の存在です。
Q:Memeコインが好きなのですが、Mantle上にもMemeコインはありますか?
現在、Mantleにはたくさんのmemecoinsがありますが、私はMINU(Mantle Inu)とそのチームが好きです。
Q:Mantleはいまだに知名度が低いように感じます。これから知名度を上げるためにどのような計画がありますか? エンゲージメントを稼ぐクエストは様々なプロジェクトが行っており、ユーザーからしたら苦痛です。
最近では新しいチェーンのセットアップが容易になってきており、将来Layer2エコシステムはますます増えていくと思います。そのため各チェーンは、チェーン上に構築されているアプリケーションとビルダーによってその存在を知られるようになるでしょう。例えばArbitrumのGMX、BSCのPancakeSwap、OptimismのVelodromeといったように。
私たちの目標は、最高のビルダーたちが最高に革新的なアプリケーションを構築できるようサポートすることです。Mantleトレジャリーとパートナーのエコシステムにより、これらのアプリケーションがユーザー採用の面で成功するための総合的な環境を作ることを目指しています。
Q:RWAの分野においてMantle関連の最新情報があれば教えてください
私たちは現在、RWAの分野で最大のプレイヤーの1つであるOndo Financeと協力しています。最近、Ondoと提携してUSDYをベースに、mUSDをローンチしました。
USDYはOndo Financeが発行する、米国財務省証券を裏付けとする利回り保証型のステーブルコインで、現在約5.1%のAPRを得ることができます。
mUSDはMantle上のDeFiプロトコルで使用できるUSDYのリベースラップバージョンです!
Q:2024年、Mantleが最も注力する事は?
最高のアプリケーションを構築するために、優れたビルダーやチームをサポートしていきます。私たちは、mETHとmUSDを統合し、クラス最高の利回り機会を持つエコシステムを構築するために、より多くのアプリケーションでエコシステムをさらに発展させることを目指しています。
Q:mETHはMantleチェーンではなくメインネットなのですか?
mETH はイーサリアム L1 とマントル L2 の両方に対応しています!スマートコントラクトはこちらからご覧ください。
また、MantleリキッドステーキングプロトコルはEthereum L1上に構築されています。
Q:Mantle上に構築されるプロジェクトのトークンはBybitにリストされやすいですか?
はい、エコシステム・パートナーのトークンをBybitに上場し、知名度と露出を高めるために、Bybit上場担当チームと密接に連携しています!
Q:他のネットワークではなくMantleを選ぶべき理由について教えてください。
Mantleはハイパースケーラブルで使い慣れた実行環境を提供します。
- MantleはOPスタック上に構築され、モジュラーアーキテクチャを採用。
- MantleDAを支えるEigenDAのような最先端技術をいち早く採用。
- 完全なEVM互換、高スループット、低ガス料金環境。
Mantleはクラス最高の利回り大国を目指します。
- 革新的で持続可能かつ複合的な利回り資産を提供。
- mUSD / USDY: RWAに裏付けされたステーブルコインの利回りは~5.1%。
- mETH: ETHステーキングとトレジャリー・レベニュー・シェアリングによって競争力のある利回りを提供するMantleネイティブのLST。
Mantleは最先端技術の上にエコシステムを構築することを目指しています。
- Mantleは、110以上のdAppsを数える急成長中のエコシステムで、Game7、HyperPlay、EduDAO、Sozu Haus、EigenLayer、Bybitと戦略的パートナーシップを結んでいます。
また、Mantleトレジャリーの大きな利点を持っています。
- ETHとステーブルで7億ドル以上を保有し、24億ドルという世界最大級のDAOが管理するオンチェーントレジャリーです。
- エコシステムの流動性サポート、エコファンド投資、Mantle Journeyを通じて、ビルダーのコールドスタート問題を解決することができます。
Mantle関連リンク
この記事について
スピーカー:Gabe(Mantle Lead DeFi Growth)
司会進行:neko
翻訳:nori
実施日時:2023/12/12 21:00
会場:KudasaiJPテレグラムグループ / ツイッタースペース
「KudasaiJP」について
「KudasaiJP」は2020年に創設された暗号資産コミュニティ。DeFi、NFT、GameFiなどトレンドを重視した情報共有の場として活用され、2022年にはTwitterフォロワー7万人、テレグラムグループ2万人の日本最大級のグループに成長しました。2021年に日本語翻訳付きの質疑応答会を開始し、初期段階にある海外プロジェクトを中心にコミュニティに向けて紹介してきました。2022年時点で160件の実績がある唯一無二のグループです。KudasaiJPコアメンバーは全員がコミュニティ出身であり、KOL(Key Opinion Leader)、翻訳家、エンジニア、デザイナー、リサーチャーなど30人以上で構成されており、AMAのみならず、ブロックチェーンスタートアップの計画・開発からコミュニティ拡大まで、多面的な成長支援ソリューションを提供しています。
本AMAは、ブロックチェーンスタートアップが業界での成長と露出を加速するのを支援する活動の一つとして実施したものです。また本記事の掲載は「KudasaiJP」と「あたらしい経済」の提携により実現しました。
→テレグラム
→ディスコード
また「KudasaiJP」を運営するKudasaiは、あたらしい経済と協業で企業向けWeb3コミュニティ「Web3 Business Hub」を運営しています。ご興味あれば以下からチェックください。
→「Web3 Business Hub」
※本記事は2023年12月12日に、「KudasaiJP」で開催されたMantleのAMA(Ask Me Anything)の内容を一部再編集したものです。
※この記事は一般的な情報の提供のみを目的として配信しているものであり、いかなる暗号資産、有価証券等の取得を勧誘するものではありません。また、当社及びKudasaiJP、インタビューイによる投資助言を目的としたものではありません。暗号資産投資にはリスクが伴います。投資を行う際はリスクを了承の上、ご自身の判断で行っていただくよう、お願い申し上げます。
Source: https://www.neweconomy.jp/features/kudasai/361993