規制の必要性を指摘
国際通貨基金(IMF)のトップが、暗号資産(仮想通貨)は金融の安定性にリスクをもたらすため、規制が必要だと12月11日述べた。
IMFのクリスタリナ・ゲオルギエワ(Kristalina Georgieva)専務理事は、韓国・ソウルで開催されたデジタル資産に関する会議の冒頭スピーチで、「暗号資産の高い普及率がマクロ金融の安定性を損なう可能性があることが課題だ」と話した。
ゲオルギエワ専務理事は、暗号資産の普及が進むと、金融政策の伝達や資本フローの管理、徴税が不安定になることによる財政の持続可能性に影響を与える可能性があると指摘。
「私たちの目標は、暗号資産のリスクを回避するためのルールや、暗号資産技術の一部を活用したインフラを提供することで、より効率的で相互運用性が高く、利用しやすい金融システムを作ることです」と、ゲオルギエワ氏は韓国政府・中央銀行との合同会議で述べた。
またゲオルギエワ専務理事は「ルール(規則)は、暗号資産以前の世界に戻すためのものではなく、イノベーションを潰すためのものでもない」とし、「良いルール(規制)はイノベーションを促進し、導くことができる」と続けている。
パネルディスカッションにてゲオルギエワ専務理事はデジタルマネーの発展に関して、政策立案者はその一部となり、より良いものを作る手助けをすることもできるし、いずれにせよそうなるのだから、放置することもできると伝えた。
ゲオルギエワ専務理事は、新興市場から学ぶことに「最も大きな関心がある」と述べ、とりわけインドのデジタル公共インフラについて言及した。
ゲオルギエワ専務理事は先進国が自国の貨幣の歴史から得た経験もまた、非常に貴重な経験であると話した。
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Reporting by Jihoon Lee; Editing by Leslie Adler and Tom Hogue
翻訳:髙橋知里
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
images:Reuters
Source: https://www.neweconomy.jp/posts/358885