FTX前CEOサム、詐欺・マネロン・選挙法違反など計8件で起訴

SBF、計8件で起訴

12月12日にバハマ警察によって逮捕された暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの前CEOサミュエル・バンクマン・フリード(Samuel Bankman-Fried:SBF)氏の起訴内容を、米ニューヨーク南部連邦検察が13日に公開した。

連邦検察によるとSBF氏は詐欺6件、マネーロンダリング1件、選挙法違反1件の計8件で起訴された。

起訴状の容疑は「被告の広範囲にわたる計画により、被告が設立した国際暗号通貨取引所であるFTXに預けられた数十億ドルの顧客資金を不正に流用し、FTXおよび同じく被告が設立した暗号通貨ヘッジファンドであるアラメダリサーチ(Alameda Research)への投資家や貸し手を欺いた」とされている。

またSBF氏はFTXの顧客資産をアラメダリサーチの数十億ドルの債務の返済や連邦政治家候補や委員会への政治献金として流用し、これらの献金が企業からの資金を使って支払われたという事実を隠していたとのこと。

なお詐欺による6件の起訴のうち、1件は「証券詐欺の共謀」として米国証券取引委員会(SEC)が起訴し、もう1件は「商品詐欺の共謀」として米国商品先物取引委員会(CFTC)が起訴している。

SECによると、SBF氏は「非公開でFTXの顧客資産をアラメダに流用」「非公開でアラメダに無制限の信用枠を提供」「アラメダがFTX関連トークンを大量に保有することによるリスクの非開示」の3点について証券法違反の疑いがあるとのことだ。

CFTCの訴状では、SBF氏による「アラメダに無制限の信用枠を設けるためのコード作成の指示」や「FTXの顧客資産の私的な用途(不動産購入やプライベートジェットなど)への流用」などが商品取引法に違反するとしている。

詐欺4件とマネーロンダリング1件については最高刑が20年となっており、選挙法違反1件とSECおよびCFTCが起訴した詐欺2件については最高刑が5年となっている。

なおSBF氏は13日に米下院サービス委員会の公聴会に出席する予定だったが、バハマ警察に逮捕されたため、出席は実現しなかった。

その公聴会にはFTXの新CEOであるジョン・レイ(John Ray)氏が出席し、FTXの経営実態について報告を行った。

レイ氏によると、FTX、アラメダ、その他の関連団体は実質的に同一の組織として運営されており、幹部はFTXの顧客データに自由にアクセスできる状態にあったとのこと。またFTXは数十億ドル規模の会計を中小企業用の会計ソフトで処理しており、取引情報などの記録はほとんど残されていなかったとのことだ。

レイ氏はSBF氏の一連の行為について「本当に時代遅れの横領です」とコメントしている。

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参考:NYSDSEC
images:Reuters

Source: https://www.neweconomy.jp/posts/282974