DeFi債券市場「Secured Finance」、イーサリアムメインネットでローンチ

Secured Finance Protocolがイーサリアムメインネットでローンチ

新しい形の債券市場の構築を目指す「セキュアードファイナンス(Secured Finance)」が、スマートコントラクトベースのレンディング及び債券市場プロトコル「セキュアードファイナンスプロトコル(Secured Finance Protocol)」をイーサリアム(Ethereum)メインネットで12月15日にローンチした。

日本時間12月15日9時からは、初期フェーズとしてゼロクーポン(ZC)債券市場で「グローバル板寄せ(Global Itayose)」期間が開始され、オーダーブックが作成可能になっており、12月29日9時にスマートコントラクトが板寄せを開始し、プロトコルが正式にローンチするとのことだ。

「セキュアードファイナンスプロトコル」は、暗号資産(仮想通貨)およびデジタル資産の取引市場において、既存金融の金融商品と同じレベルのサービスを分散型金融(DeFi)サービスとして提供するプロトコル。

既存の債券市場で最も一般的に使用されるOTC市場が抱える「透明性の欠如」や「債務不履行のリスク」という問題を解決するとともに、DeFi市場での流動性の維持、標準化された製品と市場慣例の確立、複雑な規制上の考慮事項の対応などを独自のシステムで解決することを目指している。

「セキュアードファイナンス」のドキュメントによると、同プロトコルは「フルオンチェーンのオーダーブックでありながらイーサリアムのガスコストが比較的抑えられていること」や、「決済機関との統合による流動性の強化」、「多様なニーズに対応可能な柔軟なシステム」、「固定金利市場の提供」、「専門知識を持つ優秀なチーム」という強みがあるという。

なお同プロトコルは今後ガバナンストークンの発行を行い、ガバナンスをDAO(分散型自律組織)に移管するとのこと。トークンの発行は早ければ2024年中に行われ、プロトコルに収益をステーキング報酬に上乗せして分配する予定だという。

「セキュアードファイナンス」は2021年7月にシード資金調達ラウンドで約6億(400万ドル)の調達を行ったことを発表している。

この資金調達は、暗号資産のエコシステムにおける大手取引会社であるGSR Markets、オープンソースの研究・開発・展開を行っているProtocol Labs、ベンチャーキャピタルであるFinTech Collective、グローバルテクノロジー投資会社であるHOF Capital、Huobiの戦略的投資部門であるHuobi Venturesから行われたとのことだ。

また個人投資家としては、野村ホールディングス・アメリカの取締役であるジェームズ・デノート(James DeNaut)氏、南アフリカの起業家でシビック(Civic)のCEOであるビニー・リンガム(Vinny Lingham)氏、ツイッチ(Twitch)の共同創業者でゴートキャピタル(Goat Capital)の創業者であるジャスティン・カン(Justin Kan)氏、クオントスタンプ(Quantstamp)のCEOであるリチャード・マー(Richard Ma)氏、コインリスト(CoinList)の最高執行責任者であるスコット・ケト(Scott Keto)氏、IPFSとファイルコイン(Filecoin)の生みの親であるフアン・ベネ(Juan Benet)氏なども参加している。

なお「セキュアードファイナンス」は、日本人の菊池将和氏が創業した企業だ。同氏は外資系金融企業を中心に17年間、金融領域に携わり、ハーバード大学ソフトウェア工学修士課程を修了した経歴を持つ。

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参考:セキュアードファイナンスブログ
images:iStocks/Ket4up

Source: https://www.neweconomy.jp/posts/359857