CFTCのバイナンス提訴でビットコイン一時下落も底堅い動き、XRPは前週比約15%上昇(暗号資産 週間マーケットレポート 4/3 号)

3/26~4/1週のサマリー

  • 米商品先物取引委員会(CFTC)がBinance及びCEOChangpeng Zhao氏らを提訴
  • 米2月PCEコアデフレーターはインフレ減速を確認
  • XRP訴訟の進展期待は継続し、XRPJPYは前週比約15%の上昇

暗号資産市場概況

3/26~ 4/1週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+5.45%3,786,350円、ETH/JPYの週足終値は同+6.63%242,060円となった(※終値は4/1の当社現物EOD[4/2 6:59:59]レートMid値)。

週初には、G7が連帯して暗号資産の利用者保護に関する法整備を促進すると報じられた。また27日深夜には、米商品先物取引委員会(CFTC)が未登録での米国内向け商品デリバティブ取引提供の疑いでBinance Holdings Ltd.および同社CEOのChangpeng Zhao氏らを提訴。同報道を受けてBTC価格は26,500ドル付近まで急落し、当週の安値を記録することとなり、規制関連トピックで相場が変動するスタートとなった。

その後も低調な米2年債入札や米住宅関連指標の強い結果を受けて米国金利が上昇基調にあったことで暗号資産市場も上値が重い展開が続いたが、29日に米下院公聴会にてCFTCのべーナム委員長がETHは商品であると言及すると、アルトコイン主導で相場は切り返した。さらにBTCはCMEのメジャーSQを31日に控え、オプションの建玉が集中する28,000ドルに吸い寄せられるように反発、30,000ドルをうかがうような動きも見られた。Binanceの提訴報道後の急落以降、下落幅を戻す形で暗号資産市場は底堅い動きに推移した。

またXRP/USDも近く米証券取引委員会(SEC)と米Ripple社の裁判に決着が着くとの思惑が継続したことから強含み、2022/10/10以来の水準まで上昇した。BTC、アルトコインの価格推移から、暗号資産市場はCFTCよるBinanceの提訴を深刻な問題として捉えていない結果となった。

31日のPCEコアデフレーターでインフレ減速を確認すると、週末にかけ上昇していた金利が低下基調に転じ、市場は株高・暗号資産上昇で反応した。また同日NASDAQが続伸し約2か月ぶりに今年の高値を更新、暗号資産市場も底堅く推移し、3月からの金融システムへの警戒感が後退した格好となった。

今週も引き続き、重要経済指標の結果を見極めながらではあるが、足元で続くリスク性資産への資金流入を背景に暗号資産市場も底堅い推移が想定される。また、米国を主とした各国規制当局の最新の動向にも注視する必要がありそうだ。

その他、米雇用統計発表日の7日はグッドフライデー(聖金曜日)のため米株式、商品市場休場はもとより主要各国でも株式市場等休場となるため、一時的な流動性低下による不安定な動きには注意したい。

1:BTC/USD週間チャート(30分足)

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)

2:BTC/JPY週間チャート(30分足)

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)

3:BTC/USD(橙色), XRP/USD(白色) 週間騰落率(30分足)

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)

3/26~4/1週の主な出来事

4/2~4/8週の主な予定

今週のひとこと「ホワイトペーパー」

3月28日、米国の大手暗号資産取引所クラーケンが、F1チーム「ウィリアムズ・レーシング」とスポンサー契約を行ったことを発表。車体に印字されたクラーケン社のロゴは、拡大するとビットコインのホワイトペーパー序文で描かれているというサプライズがSNSで話題になりました(公式ツイート。続くツイートには拡大画像)。

ところで、ホワイトペーパーとは一体何なのでしょうか。もともとは、政府が発行する年次報告書(○○白書)のことを指していましたが、暗号資産業界では、暗号資産の発行者が公開する事業説明書(発行の目的や将来のロードマップなど)の意味で使われています。

ビットコインのホワイトペーパーは、20081031日に、サトシ・ナカモトと名乗る人物(またはグループ)によって公開されました。ホワイトペーパーでは、金融機関を通さず利用者同士が直接決済できるオンライン通貨「ビットコイン」の構想が示されています。すべての暗号資産の始まりとも言えるビットコインのホワイトペーパーを、この機会に読んでみるのはいかがでしょうか(原文日本語訳)。

このレポートについて

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Source: https://www.neweconomy.jp/features/sbivct/306785