マーケティング規制導入に先立ち
英国の規制当局である金融行為監督機構(FCA)が、10月より導入される暗号資産マーケティング規制に先立ち、暗号資産企業の準備状況に関するレポートを9月7日公開した。
FCAの命令は10月8日から発効し、英国ユーザーに暗号資産関連サービスを提供している海外企業も対象となる。
具体的には「友達紹介」ボーナスなどの暗号資産への投資インセンティブが禁止され、そういった資産を宣伝する事業者は、明確なリスク警告を設置し、広告が明確かつ公正で誤解を招かないようにしなければならない。また企業は初心者の投資家に対し、投資決定を検討する時間を与えるため、明確なリスク警告と24時間のクーリングオフ期間を導入する必要がある。
もしこれを破れば企業は、「最高2年の禁固刑、無制限の罰金、またはその両方」を科される可能性がある。
良い例と悪い例を掲載
今回FCAは発表したレポートの中で、同制度に対する良い企業例と悪い企業例を紹介している。
良い例として、最も準備が整っている企業は、現在および将来の販促物の内容を見直すための明確なプロセスを持っていたという。これらの企業は、自社のウェブサイト、アプリ、その他のメディアにおいて、現在も顧客に宣伝している内容で、金融プロモーション規則に準拠しないものを修正または削除する予定であったとのこと。これらの企業は、今後のプロモーションを計画する際に、金融プロモーション規則のガイダンス案を既に検討していたという。
また悪い例として、最も準備の遅れている企業は、自社のプロモーションの内容はすでに十分に明確かつ公正であり、修正する必要はないと考えており、場合によっては、自社のプロモーションは広告基準局(ASA)の要件を満たしていると述べているという。しかし、これらの企業は、金融プロモーション規則の新しい高い基準に照らした細かい査定を行っていなかったという。
未登録暗号資産企業の非対応に懸念も
またFCAは9月21日の書簡にて、英国ユーザーを抱える「未登録の海外」暗号資産企業が同制度に対応していないことに懸念を表した。
その例として、FCAが150以上の企業に送付したアンケートに回答したのはわずか24社だけであったという。
FCAは7月4日、暗号資産を英国ユーザーに販売する企業に対し、10月8日から発効される金融プロモーション規制制度を遵守しなければ刑事告訴される可能性もあると警告。これを破った場合、2000年金融サービス市場法(FSMA)第21条に違反することになり、最高2年の禁固刑、無制限の罰金、またはその両方で処罰されるとのことであった。なお対象範囲は国内企業にとどまらず、海外企業も含まれる。
なおソーシャルメディア・インフルエンサーも金融プロモーション規制制度の対象となるという。
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参考:FCA ・書簡
images:Reuters
Source: https://www.neweconomy.jp/posts/341009