書簡を送る
米下院金融サービス委員会のランキング・メンバーで民主党トップのマキシン・ウォーターズ(Maxine Waters)議員は、米メタ(Meta)の申請するデジタル資産関連の商標申請についての懸念を抱いているようだ。ウォーターズ議員がメタのCEOマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏とCOOのハビエル・オリバン(Javier Olivan)氏に1月22日に送った書簡にて明らかとなった。
書簡にてウォーターズ議員は、メタが2022年3月18日から出願を始めたデジタル資産サービスやブロックチェーン技術に関連する5件の商標についての懸念を表明している。
なおこれらの商標出願には、様々なデジタル資産活動に関連する商品やサービスの説明が含まれている。
具体的には、デジタル資産の交換・取引を可能にする投資家向けに調整された特定部門を含む「オンライン・ソーシャル・ネットワーキングおよびデーティング」のサービス、暗号資産・ブロックチェーンに関連するコンピュータ・ハードウェアおよびソフトウェアの設計、暗号資産およびその他の形態の暗号資産の通貨取引、ブロックチェーンに基づく支払い検証サービスなどに関するものだ。
ウォーターズ議員は以前より、メタが暗号資産を創る可能性に懸念を示していた。
2019年にメタがステーブルコインのディエム(Diem 旧Libra)を発行すると発表した際には、ウォーターズ議員は「フェイスブックは何十億もの人々のデータを持っており、このデータの保護と慎重な利用を繰り返し軽視してきた」と指摘。「規制当局は、これを暗号資産がもたらすプライバシーや国家安全保障上の懸念、サイバーセキュリティ上のリスク、取引上のリスクについて真剣に取り組むための警鐘と捉えるべきである。私は、フェイスブックが過去に問題を起こしたことを考慮し、議会と規制当局がこれらの問題を検討し、対策を講じる機会を得るまで、暗号資産開発のいかなる前進も一時停止することに同意するよう要請する」との声明を出している。
またウォーターズ議員は、メタのスタッフが昨年10月、委員会の民主党議員に対して「メタ社では現在進行中のデジタル資産業務はない」と述べたと指摘。また同スタッフは、メタがブロックチェーンベースの製品やステーブルコインに関するいかなる作業も計画しておらず、ステーブルコインや暗号資産を事業に取り込むためにいかなるパートナとも提携しておらず、同分野の研究開発も進めていないと断言したという。
しかしメタは商標を出願しており、これは同社がディエムを閉鎖以降も、活動を止めていないことを示唆しているとウォーターズ議員は指摘している。
同氏はメタに対し、ステーブルコインについて研究開発を進めているかや、分散型台帳技術(DLT)アプリケーションを自社のプラットフォームに採用する可能性を模索しているか、そして暗号資産対応の決済プラットフォームを立ち上げる予定について書簡で質問を投げかけている。
なおウォーターズ議員は、この質問への回答について期限を設けていない。
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参考:書簡
images:iStock/Aramyan
Source: https://www.neweconomy.jp/posts/366161