ユニスワップ(UNI)の「Uniswap Wallet」、App Storeでリリース | あたらしい経済

「Uniswap Wallet」がApp Storeでリリース

分散型取引所(DEX)の「ユニスワップ(Uniswap)」開発元のユニスワップラボ(Uniswap Labs)が、アップル(Apple)のApp Storeで「ユニスワップウォレット(Uniswap Wallet)」のiOS版を公開したことを4月13日発表した。

同ウォレットは現在一部の国での提供となるようだが、今後サポート地域を増やしていくとのこと。なお「あたらしい経済」編集部は、日本居住者もインストールできることを確認した。

「ユニスワップウォレット」は、オープンソースにより開発されたセルフカストディ(自己管理型)のモバイルウォレットだ。セルフカストディとは中央集権的な管理者に暗号資産(仮想通貨)を預けずに、ユーザー自身が秘密鍵管理を行い、暗号資産の保管を行うこと。

先月、同ウォレットの早期アクセス版が一部ユーザーを対象に公開されていた。早期アクセス版は、アップル(Apple)提供のiOS環境でのアプリテストシステム「テストフライト(TestFlight)」より公開されていたが、それについてユニスワップラボは「理由はわからないが、アップルからの承認が得られないため」と説明していた。ユニスワップラボはアップルから「ユニスワップウォレット」の承認を得たようで、それにより今回のリリースが実現したことになる。

「ユニスワップウォレット」はイーサリアム(Ethereum)、ポリゴン(Polygon)、アービトラム(Arbitrum)、オプティミズム(Optimism)のブロックチェーンに対応しているとのこと。今までのウォレットで異なるチェーンのDapps(分散型アプリ)に接続する際にはネットワークを切り替える必要があったが、同ウォレットではその必要はなく、例えばイーサリアム上のリドファイナンス(Lido Finance)、ポリゴン上のアーベ(Aave)、アービトラム上のユニスワップに同時接続できると説明されている。

また「ユニスワップウォレット」では、上記にあげたブロックチェーンに対応した「暗号資産」の送受信・保管、NFTの表示(送信不可)といったウォレットの通常機能の他、大きな特徴としてシードフレーズの保存方法が挙げられている。

ウォレット復元の際に必要となるシードフレーズは「紙にメモをする手動保存」が推奨されているが、それに加え「ユニスワップウォレット」では、「アップルのiCloudで暗号化して保存」もできるという。これにより端末を紛失した場合でもシードフレーズのバックアップによりウォレットが保護できると説明されている。

また「ユニスワップウォレット」からムーンペイ(MoonPay)を通じて、法定通貨で暗号資産の購入も可能だという。同ウォレットでの暗号資産購入は2.55%の手数料となるようだ。ユニスワップラボは「他の人気のあるウォレットでは5%」と手数料の安さを強調している。

なお「ユニスワップウォレット」は、米サイバーセキュリティ企業「トレイルオブビッツ(Trail of Bits)」の監査も完了し、セキュリティ基準を満たしているとのことだ。

また今回「ユニスワップウォレット」はiOS版を公開したが、アンドロイド(Android)版の公開については現状触れられていない。

なおアップルは昨年10月、iOSアプリによるNFT使用を制限する方針を示し、NFTサービスのアプリにも従来通り30%の決済手数料を徴収することを表明した。これにより昨年12月には、コインベース(Coinbase)提供の「コインベースウォレット」が最新アップデートでNFT送信機能を追加したため、アップルは同機能をブロックした。

アップルはNFT送信時に発生するガス代の30%をコインベースから徴収することができると主張。しかしアップルの独自システムは暗号資産に対応していないため、コインベースがアップルの要求に応えられずNFT送信機能はブロックされる形となった。

その為「ユニスワップウォレット」についてもNFT送信機能は提供されていないようだ。


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参考:ユニスワップ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Molnia

Source: https://www.neweconomy.jp/posts/308931