9/17~9/23週のサマリー
- タカ派色の強いFOMCとなるも、暗号資産市場に対する影響は軽微であった。
- 野村HDのレーザー・デジタル社が機関投資家向け暗号資産ファンドを設立。
- SECがBinance.USの査察を裁判所に要請も却下。
暗号資産市場概況
9/17~9/23週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+0.31%の3,945,400円、ETH/JPYの週足終値は同▲2.37%の236,540円であった(※終値は9/23の当社現物EOD[9/24 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は、前週に米CPI、FTXによる資産売却懸念といった売り材料を消化したことを受けて、アルトコインとともに堅調な推移となり、BTCは8/31以来の27,000ドル台回復からのスタートとなったものの、米証券取引委員会(SEC)がBinance.USへの査察許可を裁判所に要請したことが嫌気され、上昇分を吐き出す格好となった。同要請は早々に却下されたことで、BTCは下げ止まりの動きを見せ、野村ホールディングス子会社レーザー・デジタル社が機関投資家向け暗号資産ファンドを設立したとの報を受けると、再び27,000ドルまで値を戻す格好となった。その後はFOMCを控えた様子見姿勢が強まる中、BTCは概ね27,000ドル台前半での取引が続いた。
注目されたFOMCは、タカ派色の強い内容だったにもかかわらず大きく下落することなく推移した。ドットプロットは2023年末政策金利見通しについて、12名が5.50~5.75%、7名が5.25~5.50%と想定していることを示していたため、年内にあと1回利上げが行われるという織り込みが進んだ。これにより短期金利が上昇し暗号資産にとって向かい風となったが、暗号資産の下落は米国株と比較して軽微なものであった。現在の暗号資産市場は、金融政策よりもETF関連を巡る動向がより相場を動かすきっかけになるためだと考えられる。
21日にはFOMCを通過し、足もとで一服していた米長期金利の上昇が再開したことが嫌気され、リスク資産市場全体がリスクオフの展開となる。27,000ドル前後でもみ合う展開であったBTCも再び上昇分を打ち消し、前週のレジスタンスラインであった26,500ドルにサポートされる形で週末を迎えた。
来週は29日にビットコインメジャー(先物・オプション)SQが控えており、その実需動向いかんによっては大きくマーケットが動く可能性が想定される。また8月の米個人消費支出(PCE)デフレータにも配慮が必要だ。米金利の見通しに関しては未だ不透明感が払拭された訳ではなく、引き続き注意する必要があるだろう。暗号資産市場においても、押し目買いの機会を窺いつつ、相場を注視し慎重な投資判断を行っていきたい。
BTC/USD週間チャート(30分足)
BTC/JPY週間チャート(30分足)
9/24~9/30週の主な予定
9/17~9/23週の主な出来事
今週のひとこと「ビットコイン先物SQ」
ビットコインの先物取引では、満期日に実際のビットコインの受け渡しは行われず、満期日が到来しても決済されていないポジションについては、差金決済による反対売買が行われます。この差金決済時に使用される価格が「Special Quotation(特別清算値)」であり、SQという略称が広く用いられています。
SQが決定される日をSQ日と呼び、特に3,6,9,12月のSQ日は各取引所の先物・オプション取引の最終満期日が重なることから、メジャーSQ日と呼ばれ、重要日としてマーケット参加者から意識されています。直近では今月29日がメジャーSQ日に該当することから、実需動向も踏まえたマーケットの活発化が予想されます。
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Source: https://www.neweconomy.jp/features/sbivct/340806