6/11~6/17週のサマリー
- BTCは前週比約4%上昇したが、27,000ドルには届かず
- 米政策金利の予想水準を表すドットチャートでは年内に残り2回の利上げを行うことを想定
- ヒンマン文書内でXRPに関する言及が少なく、XRPは下落に転じた
暗号資産市場概況
6/11~6/17週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+4.26%の3,758,800円、ETH/JPYの週足終値は同+0.31%の244,4925円であった(※終値は6/17の当社現物EOD[6/18 6:59:59]レートMid値)。
暗号資産市場は、前週のBinance騒動を受け、Binanceからの顧客資産流出が続いていたこともあり低調な推移で開始。BTCは週後半にリバウンドする局面はあったものの、27,000ドルに値をつけることはできなかった。また、BTCは前週比で上昇したが、当社取り扱いアルトコインのほとんどは前週比横ばいに推移する結果となった。
市場を動かすきっかけとなったのは連邦公開市場委員会(FOMC)である。政策金利は市場予想通り据え置きであったが、中長期的な予想水準を表すドットチャートでは年内に残り2回の利上げを行うことが想定されており、市場予想よりもタカ的であったと言える。しかし、今週発表された米消費者物価指数(CPI)等のデータからもインフレが鈍化していることを読み取ることができ、今後も順調にインフレが鈍化していけば利上げの必要性には疑問が残るだろう。暗号資産はタカ的なFOMCを受け下落したが、週後半に値を戻した理由の一つに、このような利上げの必要性への疑問視があったのではないだろうか。
週央にはヒンマン文書が注目を集めた。ヒンマン文書は、現時点での米証券取引委員会(SEC)による暗号資産の証券性定義を巡る議論の最新の記録という点で重要となる。ヒンマン文書がXRPの証券性を巡る裁判において有利な材料となる可能性があったため、公表前~公表直後にXRPは上昇したが、文書内でXRPに関する言及が少ないことが判明すると下落に転じた。
週末の相場は、世界最大の資産運用会社である米ブラックロック社がビットコインETF申請したこともあり堅調に推移したが、あくまでFOMCの揺り戻しの影響の方が大きいと考えられ、Binance騒動には引き続き注視したい。
1:BTC/USD週間チャート(30分足)
2:BTC/JPY週間チャート(30分足)
6/4~6/10週の主な出来事
6/11~6/17週の主な予定
今週のひとこと「ヒンマン・スピーチ」
SECとRipple社のXRPの証券性を巡る裁判において、ヒンマン文書の公開が話題となりました。今週は、ヒンマン氏が2018年に行った講演についてご紹介します。
Yahoo Finance All Markets Summitで行われたこの講演はヒンマン・スピーチと呼ばれ、暗号資産業界において重要な定義(証券として提供されたデジタル資産が時間の経過とともに証券以外のものになり得るかどうかを検討する機会)を提供することを目的に開催されました。
ヒンマン氏は、暗号資産における「投資契約」という概念は一般的に証券と見なされ、それによって証券法の適用を受ける可能性があることを強調しました。
具体的には、投資家が資金を投入し、営利を期待する場合には、暗号資産が証券として見なされる可能性があると述べました。さらに、個別の事例についての考慮も重要であると指摘しました。スピーチの中の「イーサリアムは証券に当たらない」とう箇所はメディアでも頻繁に取り上げられ、有名になっています。
このスピーチは、暗号資産業界において、証券法の適用範囲を明確にするための重要なガイダンスとして受け入れられています。スピーチ以降、投資家や企業は、ヒンマン氏の指針を参考にしながら、暗号資産の証券性を評価し、適切な規制上の措置を講じることが求められるようになりました。
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Source: https://www.neweconomy.jp/features/sbivct/320135