1/14~1/20週のサマリー
- ビットコイン下値模索の展開、40,000ドル割れは回避
- ビットコイン現物ETF取引は引き続き活況、セクター別では商品市場で2番目の規模にまで伸長
- FLR 週間で30%超の上昇 GoogleCloudがFlareNetworkのバリデータおよびインフラプロバイダーに
暗号資産市場概況
1/14~1/20週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲1.05%の6,179,950円、ETH/JPYの週足終値は同▲2.39%の365,100円であった(※終値は1/20の当社現物EOD[1/21 6:59:59]レートMid値)。
今週の暗号資産市場は前週の「Sell the fact」の流れが継続し、下値模索の週となった。週初は売り一巡後の下げ渋りの展開でスタート。かねてから懸念されていたGrayscale(GBTC)のアウトフローを他ETFが吸収している状況が確認されたことやヘッジファンドSkyBridge創業者Anthony Scaramucci氏による「ビットコイン価格は来年末には17万ドルを突破する可能性がある」との発言、さらには円安などを背景にビットコインはじり高で推移した。
しかし、週央にはGBTC償還決済のためのGrayscaleからのCoinbaseへのビットコイン送付が継続している事が意識され、更にはGrayscaleによるビットコイン売り圧力を分析するJPMから出されたレポートに絡んでGBTCアウトフロー継続が再び焦点となったこともあり相場は下落に転じる。心理的節目となる40,000ドル割れをなんとか回避し、41,000ドル台で週末を迎えた格好だ。
先週、今週と話題の中心となっているビットコイン現物ETFであるが、Grayscale(GBTC)、BlackRock(IBIT)、Fidelity(FBTC)で取引の約9割、GBTCのアウトフローを他ETFで吸収、むしろインフローが多い状況が確認できる。現時点ではGrayscaleからCoinbaseへのビットコイン送金が継続的に確認されているものの、ここ数日で落ち着くものと予想している。
むしろ気になるのはマイナー勢の動向だ。先日CoinSharesが興味深いレポートを公開した。レポートによると4月に予定されているビットコイン半減期後のマイナー勢のビットコイン生産平均コストは1BTCあたり37,856ドル、販管費コストを加えると約40,000ドルが損益分岐点になるそうだ(図1)。
現在のビットコイン価格はぎりぎり採算の取れる41,000ドル台である。半減期に向けて価格上昇をすれば問題ないが、直近の上値が抑えられた局面ではマイナー勢の売りが出やすいのではないかと予測する。
前述の売り材料はあるものの当週も大きく話題となったビットコイン現物ETF、セクター別では商品市場で金ETFセクターに次ぐ2番目の規模にまで拡大し、金融市場の中での存在感は増してきているといえるだろう。
そのほかトピックとしては、GoogleCloudがFlareNetworkのバリデータおよびインフラプロバイダーに参画したことが明らかになったことにより、FLRが週間30%超の上昇を演じたことや昨年12月にミームコインBonkのエアドロップ付与で完売となったSolana Phoneの第2世代発売計画の発表などがあげられよう。
先日アイオワ党員集会で勝利したドナルド・トランプ元大統領がCBDCの許可をしない方針を表明したことも気になるところだ。余談であるが今年は選挙イヤーである。先日の台湾総統選を皮切りに、2月インドネシア大統領選、3月ロシア大統領選、4月インド総選挙、6月欧州議会選、9月自民党総裁選、11月米大統領選が控えている。
次週であるが、S&P500が約2年ぶりに最高値を更新したことでリスク選好ムードが高まっている中、為替に影響を与える日銀政策決定会合後の植田日銀総裁の発言、米四半期GDP速報、米個人消費支出(PCE)をおさえておきたい。
BTC/USD週間チャート(30分足)
BTC/JPY週間チャート(30分足)
図1[マイナーにおけるビットコイン半減期後の平均生産コスト一覧]
1/14~1/20週の主な予定
1/21~1/27週の主な出来事
注目のコインは?~Flare(フレア)~
今週のマーケットトピックとして1月15日、GoogleCloudがFlareNetworkのバリデータおよびインフラプロバイダーになることがFlareNetworksから発表されました。この発表によりFlareトークン(FLR)は30%以上上昇し、他の暗号資産と比べて大きくアウトパフォームしました。
Flare Networksは「Connect everything(すべてをつなぐ)」ことを目的に、Federated Byzantine Agreement(FBA)と呼ばれる独自のコンセンサスアルゴリズムを採用することで、トランザクションに係る費用を抑えつつ、異なるブロックチェーン同士の相互運用実現を目指しています。
Flareは2020年12月12日時点のXRP保有者を対象とした大規模なエアドロップを昨年1月に実施したことでも有名です。エアドロップの配布方法は初回にXRP保有者を対象としてエアドロップの15%を配布した後、ガバナンス投票により現在はWFLR(Wrapped Flare)のデリゲーターとFLRのステーカーに対して残りの85%を2026年1月まで段階的に配布されます。
今回のGoogleCloudとの提携発表はFlareNetworksのミッション達成に向けて重要なものであり、ブロックチェーン技術の普及に貢献するプロジェクトとして、今後も成長していく可能性がうかがえるのではないでしょうか。
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Source: https://www.neweconomy.jp/features/sbivct/365626