第2フェーズへ進む
パラオ共和国の財務省が、米ドルペッグのステーブルコインプロジェクト「パラオ・ステーブルコイン(PSC)プログラム」の第2フェーズを正式に開始した。同国のサイバーセキュリティ・コンサルタントで財務省のフィンテックプロジェクトマネージャーであるジェイ・ハンター・アンソン(Jay Hunter Anson)氏が、自身のX(旧Twitter)にて12月15日報告した。
アンソン氏によれば、第2フェーズでは、強固なデジタルエコシステムの構築に焦点を当て、法規制の遵守に重点を置きながら、アクセシビリティとユーザー参加を拡大させるという。また、米リップル(Ripple)社との提携を継続させ、リップル社の中央銀行デジタル通貨(CBDC)プラットフォームと技術的専門知識を活用できるようにすることを目指すという。
パラオ共和国とリップル社は7月に提携し、PSCの試験運用を開始していた。PSCは、リップル社が活用する分散型台帳技術「XRPレジャー(XRP Ledger)」上で発行されている。
またアンソン氏は、第2フェーズでは、マーケティングと持続可能な開発目標のための新たな協力関係を確立することに重点を置くと強調した。PSCプログラムの第2段階では、デジタル・エコシステムの開発とユーザー・エンゲージメントの向上も優先され、規制遵守が重視される。
パラオ共和国の財務省は12月7日、PSCプログラムの第1フェーズの成功を報告している。第1フェーズはリップル社参加のもと、3ヶ月間実施され、政府職員のボランティア168人が参加した。
参加したボランティアらは、プログラムに参加している地元の小売店で使える100PSCを受け取り、携帯電話でQRコードをスキャンしたり、ウォレットのアドレスを手動で入力することで支払いを行ったという。参加した小売業者とボランティアは、PSCの使用体験に関して、好意的な反応を示したとのことだった。
Yesterday the Republic of Palau Ministry of Finance officially launched Phase 2 of the Palau #Stablecoin (PSC) program, based on a 1:1 tokenized U.S. Dollar.
The Republic of Palau Ministry of #Finance seeks to expand accessibility and user participation, reaching a wider… pic.twitter.com/FUt7mM8CLr
— Jay Hunter Anson (@JHX_1138) December 15, 2023
関連ニュース
- 米リップルがパラオ共和国と提携、米ドルペッグの「パラオ・ステーブルコイン」試験運用開始
- バーゼル銀行監督委員会(BCBS)、ステーブルコインのリスク基準調整提案を公表
- S&Pがステーブルコインのリスク判断開始、テザー「USDT」などが低評価
- パクソスがシンガポールで米ドルステーブルコイン発行へ、規制当局から原則承認取得
- 世界規制当局BCBS、ステーブルコインのエクスポージャーに関する銀行資本規制を見直しへ
参考:パラオ共和国財務省
images:iStocks/daboost
Source: https://www.neweconomy.jp/posts/359826