コンセンシスの「Linea」メインネットα版がリリース
米コンセンシス(Consensys)開発のイーサリアム(Ethereum)レイヤー2ソリューション「Linea(リネア)」が、メインネットアルファ版のリリース開始を7月11日発表した。なおアルファ版は、開発初期段階における試作・評価版だ。
なおテストネット版においては、520万のウォレットが参加し、わずか3か月以内に4,100万以上のトランザクションを実行したという。
発表によると今回の「Linea」のメインネットアルファ版のリリースは段階的に行われるようだ。
まずはローンチパートナーへのオンボーディングを同日より開始するという。その後パートナー各社の分散型アプリケーション(Dapps)とインフラが整い次第、7月17~20日に開催される「EthCC(イーサリアムコミュニティカンファレンス)」期間中を目途に一般公開をする予定とのことだ。なおオンボーディングは、利用者に対し機能に慣れてもらうためのサポートプロセスだ。
ただしメインネットアルファ版公開後は、ユーザー・Dapps・ネットワーク自体を保護するためのセーフガードが利用されるという。最初の1週間は、ネットワークへのRPCコールはローンチパートナーのみが利用でき、ブリッジUIはパスワードで保護されるとのこと。
またメインネットアルファ版では、出金に関する複数の制限が設けられるとのこと。その後90日間でブリッジパートナーとの協力のうえ、制限を減らしていく意向であるという。
なおローンチパートナーには、ゲームやID、分散型SNSやNFTプロジェクトといった分散型アプリケーション(Dapps)が参加するとのこと。またコンセンシスが提供するweb3ウォレット「メタマスク(MetaMask)」およびNFTプロジェクト構築支援サービス「コンセンシスNFT(Consensys NFT)」もパートナーと共にメインネットアルファ版に加わるという。
これによりコンセンシスは、「Linea」メインネットアルファ版一般公開に際し、同ネットワークの公式NFTコレクションを発表予定であるとしている。また「メタマスク」においてもブリッジ・スワップ・購入の機能がメインネットアルファ版にて提供される予定とのことだ。
コンセンシス開発の「Linea」は、暗号技術を利用した証明技術「ゼロ知識証明」を用いて開発されたコンセンシス独自のイーサリアムL2スケーリングソリューションだ。同技術によるロールアップ「zk-Rollup」にて正当性を担保しながら計算を別のレイヤーで行い、結果だけを送り返すことでスケーラビリティが向上する仕組みとなっている。
今回リリースされたアルファ版では、L1であるイーサリアムよりも最大15倍低い取引手数料を実現すると述べられている。
なおロールアップとは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリングソリューションである。
コンセンシスによると「Linea」は、既存のブロックチェーンで広く利用されているEVM(イーサリアムバーチャルマシン)と同等に利用可能とのこと。「Linea」のネットワークではweb3ウォレット「メタマスク」やスマートコントラクト開発者用ツール「トリュフ(Truffle)」、RPCの「インフラ(Infura)」などのEVM互換のブロックチェーンで広く利用されてきたサービスを変わらず利用できるという。
なお「Linea」では独自トークンは発行せず、エアドロップも実施しないとのこと。ガス代(取引手数料)は、イーサリアムからブリッジされたETHを使用するとのことだ。
ちなみにコンセンシスは6月27日にリブランディングを行い、ロゴの刷新と綴りを「ConsenSys」から「Consensys」へ変更している。
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参考:Linea
デザイン:一本寿和
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/325227