アービトラムが独自トークン「ARB」発行へ
イーサリアム(Ethereum)のL2スケーリングソリューション「アービトラム(Arbitrum)」が、DAO(自律分散型組織)ガバナンスによる運営を開始する。また、それにあたり独自トークン「ARB」の発行およびエアドロップが実施されるという。「アービトラム」の開発を支援するアービトラム財団(Arbitrum Foundation)が3月16日に発表した。
なお「ARB」のエアドロップは、3月23日に実施される予定。対象となるのは、「アービトラムワン(Arbitrum One)」および「アービトラムノヴァ(Arbitrum Nova)」のネットワークのいずれか、または両方を利用したことのあるユーザーだ。なお対象者は2月6日に実施されたスナップショットにて、既に確認済みであるとのこと。
「Arbitrum DAO」によるガバナンスは両ネットワークにも導入され、「ARB」はガバナンストークンとしてDAOの意思決定に関する投票に用いられることになる。なお投票権は委任もできるとした。また「ARB」は、ネットワークでの取引手数料の支払いには使用されないという。
また「ARB」の総供給量は100億枚となっており、今回のエアドロップではその12.75%が付与されるとのこと(うち1.13%がアービトラムでアプリを構築するDAOが対象)。なおエアドロップされた「ARB」は、合計4年間のロックアップがされるという。1年後からそれ以降3年間毎月、段階的にロックが解除されるとのことだ。
今回のエアドロップ対象可否については、アービトラム財団のウェブサイトで確認が可能。エアドロップ請求は23日が最終になる。
「アービトラム(Arbitrum)」とは?
アービトラムは、オプティミスティックロールアップを採用することでイーサリアムの安全性を保ちつつオフチェーンでの高速処理を実現したスケーリングソリューションである。
なおアービトラムでは、「アービトラムワン(Arbitrum One)」および「アービトラムノヴァ(Arbitrum Nova)」の2つのネットワークを展開している。
「アービトラムワン」はアービトラムのパブリックなメインネットであり、誰でもバリデーターとなることができる仕組みとなっている。一方で「アービトラムノヴァ」は選定されたバリデーターのみが参加する許可型のメインネットとなっており、厳密な分散性を達成することはできないが、その分低い手数料での利用を可能にしている。
そのような特性から「アービトラムワン」はDeFi(分散型金融)及びNFT向けチェーン、「アービトラムノヴァ」はゲーム及びソーシャルアプリに特化したチェーンとして取り扱われるケースが多い。
アービトラムの開発元であるオフチェーンラボ(Offchain Labs)は、2022年8月に「アービトラムワン」における大型アップグレード「ニトロ(Nitro)」を実施し、処理の効率化や標準的なプログラミング言語への対応のための仕様変更が行った。オフチェーンラボによると、これによってパフォーマンスは10倍に向上したとのことだ。
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参考:プレスリリース・アービトラムDAO
デザイン:一本寿和
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/304232