新たな会計規則の一環として情報開示義務づける
韓国の金融監視機関である金融サービス委員会(FSC)が、同国における暗号資産(仮想通貨)に関する新規則を7月11日発表した。
発表によれば、韓国は2024年1月以降に会計規則の一環として、暗号資産を所有・発行する企業に対し、財務諸表にて保有する暗号資産に関する情報を開示するよう義務付けるとのこと。
なお同規則は7月7日に会計基準委員会によって審議され、承認されたとのことだ。
この規則により暗号資産の発行者は、保有する暗号資産の使用履歴や数量などの詳細、ビジネスモデル、内部会計方針などの情報が求められるとのこと。
また暗号資産を保有する国内企業については、保有するトークンの分類、帳簿価額、時価の報告義務が課せられるという。
また新規則の発布に伴いFSCは、暗号資産を保有・開発・発行した企業向けに、外部監査人が会計監査時に参考できる監査手続ガイドラインも設け、配布する予定とのことだ。
FSCは声明にて、「政府は、6月30日に仮想資産法が国会で可決されたことを受け、企業に詳細な情報開示を義務付けることで、暗号資産取引における会計の透明性を向上に乗り出す」と述べている。
6月には新法可決も
韓国の国会では6月30日、暗号資産の不公平取引に損賠賠償責任を課す新法「暗号資産ユーザー保護法案」が可決された。
同法案では、非公開情報の使用、市場操作、不公正な取引慣行などの違反行為に対する罰則が定められている。
なお同法案ではFSCと韓国銀行に暗号資産業者と暗号資産カストディアンを監視する権限が与えられている。
これに違反した場合、1年以下の懲役が科されることになる。また、不公正取引で得た利益の3倍以上5倍以下の罰金を科される可能性もあるとのことだ。
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参考:FSC
デザイン:一本寿和
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/325385