イシャン・ワヒ氏がSECと和解へ
インサイダー取引の容疑で逮捕された米コインベースグローバル(Coinbase Global)の元プロダクトマネージャーのイシャン・ワヒ(Ishan Wahi)氏が、米証券取引委員会(SEC)の主張を認め、解決することに基本合意したようだ。SECが裁判所へ4月3日に提出した書類にて明らかとなった。
ワヒ氏は昨年7月、同氏の弟であるニキル・ワヒ(Nikhil Wahi)氏及びその友人のサミール・ラマニ(Sameer Ramani)氏とともにインサイダー取引に関連する容疑で、米司法省とSECから起訴されていた。同月ワヒ氏らはワシントン州シアトルで逮捕された。また友人のラマニ氏は1月時点の最新情報では、逃亡中となっている。
提出書類によれば、SECは異議申し立ての現行期限を4月6日から6月15日に変更するようだ。理由は、和解案をまとめるために時間を要するためだという。
具体的には、現在ワヒ氏らとSECは和解条件に関する話し合いを行っており、最終的な和解案を裁判所へ提出するには、SEC内で検討の上、委員会の承認を得る必要があるという。そのための時間を確保するためだと説明されている。
なおこの和解案に関するワヒ氏らの返答期限は7月15日になる予定だ。さらにSECとワヒ氏らは、ワヒ氏らの解散申請が決まるまで、この件に関する証拠開示が停止されることに同意するとしている。
暗号資産に関する初のインサイダー取引事件
昨年9月、弟のニキル・ワヒ氏はコインベースの機密情報をもとに暗号資産の取引を行ったことを認め、電信詐欺の共謀罪の適用を認めていた。
同氏は今年1月、米国検察当局が「暗号資産(仮想通貨)に関わる初のインサイダー取引事件」と呼ぶ事件について有罪を認め、禁固刑10ヶ月の判決を受けている。検察はニキル・ワヒ受刑者が40銘柄におよぶ暗号資産について、コインベースの取扱い発表に先立ち違法に取引を行い、約90万ドルの利益を得たと指摘。それに対し10ヵ月から16か月の刑を勧告していた。
この判決に対しニキル・ワヒ受刑者は米国での大学進学のために資金を提供してくれた両親に恩返しをするためにインサイダー取引を行ったと語っている。
なお兄のイシャン・ワヒ容疑者は2月8日、電信詐欺の共謀を認めたが、取引したイーサリアムベースのトークンがSECによって証券として定義されることを知らなかったと主張していた。
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参考:提出文書
デザイン:一本寿和
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/307633