三菱UFJ信託・Datachain、ソラミツがステーブルコインで技術提携
Datachain(データチェーン)、三菱UFJ信託銀行、ソラミツの3社が、国内で発行が予定される多種多様なステーブルコイン間の滑らかな相互移転・交換の実現に向け、技術連携を開始したことを3月28日発表した。
昨年日本では世界の先進国に先駆け、ステーブルコインを「電子決済手段」として定義する改正資金決済法が可決されており、今年2023年に同法案が施行される予定である。今回の技術連携はこのような動向を踏まえたものになるという。
この連携による3社による取り組みでは、三菱UFJ信託銀行が主導するステーブルコイン発行・管理基盤「Progmat Coin(プログマコイン)」を用いて発行される様々なステーブルコインや、ソラミツが開発に貢献しているオープンソース・ブロックチェーン基盤「Hyperledger Iroha(ハイパーレジャーイロハ)」を用いて地方銀行等が検討を進める地域デジタル通貨等を想定して実証を行うとのこと。
異なるブロックチェーン間の相互接続には、データチェーンが研究開発を主導するブロックチェーンインターオペラビリティプロジェクト「YUI」や、YUIが採用するメッセージングプロトコル「IBC」、安全性に加え拡張性に優れたインターオペラビリティを可能にするミドルウェア「LCP」など用いる予定だという。
「プログマコイン」によるステーブルコインと「ハイパーレジャーイロハ」による地域デジタル通貨、およびデータチェーンの支援により、異種ブロックチェーン基盤上の異なるデジタルマネー相互移転(PVP決済)の実現を目指すとのこと。
これにより、今後様々な銀行などで発行が予定される多種多様なステーブルコインや地域デジタル通貨間の滑らかな相互移転・交換を実現し、銀行間・企業間・個人間送金の効率化や手数料削減を目指すという。また将来的には海外のCBDC(中央銀行デジタル通貨)などとの相互移転・交換によるクロスボーダー送金の効率化や手数料削減も視野に入れるとのことだ。
なお三菱UFJ信託銀行が主導するステーブルコイン発行・管理基盤「Progmat Coin」では、信託を用いたスキームにより、2023年に施行される新法制に準拠した形で、移転記録先の分散型台帳としてCordaを用いる「パーミッションドステーブルコイン」と、Ethereumをはじめとした、いわゆるパブリックブロックチェーンを用いる「パーミッションレスステーブルコイン」の双方を発行可能とする予定だ。
またソラミツではThe Linux Foundation(リナックス財団)がオープンソース・ブロックチェーン基盤として進めている「ハイパーレジャーイロハ」の開発に貢献しており、「ハイパーレジャーイロハ」はこれまでに、カンボジア王国のCBDC「Bakong/バコン」の正式運用やラオスのCBDC実証実験「DLAK/デジタル・ラオ・キープ」を始め、国内外でCBDCや地域デジタル通貨の発行基盤として利用されている。またソラミツはアジア開発銀行(フィリピン)等と共に、異なるブロックチェーン同士を接続し国際証券決済の実証実験を行なっている。
データチェーンは、企業と共同で異なるブロックチェーン間のインターオペラビリティ(相互接続)に関する取り組みを行うSpeee(スピー)の子会社だ。同社は昨年12月、みずほリサーチ&テクノロジーズ及びSBI R3 Japanとロックチェーンのクロスチェーン技術に関する技術連携を開始している。
またデータチェーンは昨年9月に「プログマコイン」による複数のST(セキュリティトークン/証券トークン)基盤とのクロスチェーン実現に向けた技術検証を開始していた。
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参考:三菱UFJ信託
デザイン:一本寿和
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Source: https://www.neweconomy.jp/posts/305767