ビットコインはレンジ突破できず、XRPは中間控訴報道で下落、SHIBは好調(暗号資産 週間マーケットレポート 8/14号)

8/6~8/12週のサマリー

  • 米決済大手のPayPalが独自のステーブルコインPayPal USD(PYUSD)を発表
  • SECが米運用会社ARK Investment Managementの現物ビットコインETF申請の審査を延期
  • Coinbaseが開発を支援したBaseのメインネットが公開

暗号資産市場概況

8/6~8/12週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+3.31%の4,266,500円、ETH/JPYの週足終値は同+2.85%の268,150円であった(※終値は8/12の当社現物EOD[8/13 6:59:59]レートMid値)。

先週の暗号資産市場は週央にビットコインが動意づき30,000ドルを回復したものの上昇は続かず、週末12日のEODは29,000ドル前半となり、7月後半から続く28,500~30,500ドル前後のレンジを突破できず着地。

アルトコインではXRPが、SECによるRipple社への中間控訴に関する報道により一時80円台半ばまで下落。一方、SHIBは前々週の好調度合いを維持し週間ベースで10%以上の上昇を見せた。BTC/USDの30,000ドルという大台維持はできなかったものの、時価総額上位の銘柄は底堅さをうかがえたマーケットとなった。

先週は引き続きSECに絡んだヘッドラインが暗号資産市場で注目された。一つは前述したSECによるRipple社への中間控訴、もう一つがARK Investment Management(以下Ark社)が申請している現物ビットコインETF(上場投資信託)に対するSEC審査の延期発表。Ark社が申請している現物ビットコインETFに関しては、事前に審査の延期が予想されておりマーケットへの大きなインパクトはなかった。同CEOのキャシー・ウッド氏はArk社を含む8つのファンドが現物ビットコインETFを申請している状況について「同時に複数の申請が承認されるのではないか」と言及した。

10日には前月に続いて低い伸び率となった米7月消費者物価指数の発表があったが、インフレ鈍化がデータで示されていたことから次回9月のFOMCまで時間はあるが、現時点では金利据え置き見通し。先週号にて記載した、フィッチ・レーティングスが 米国長期国債の格付を引き下げ後初めての長期債入札米国債の入札は低調な結果となり、米長期金利は上昇、円との金利差が意識され為替は円安方向に推移したことで、円建て暗号資産価格の上昇につながった。

今週はRipple社の訴訟に関するヘッドラインと為替(ドル円)の動きに留意したい。Ripple社の訴訟問題の最新状況は、SECがRipple社のプログラマティックな販売が証券法に違反していないと裁判所が判決を下した部分に関して、中間控訴の要求を承認するようにニューヨーク南部地区裁判所に書簡を提出したことである。本ヘッドラインによるXRP価格の反応には留意したい。

併せて、SECが書簡を提出する前にはSECが控訴をしないというデマがX(旧Twitter)上で散見されたため、ヘッドラインの正確性や情報ソースにも注意が必要である。為替は円安が145円台まで進行し、昨年9月に145円台で実施された為替介入が意識される水準であり、為替介入によるBTC/JPYの一時的なボラティリティには気を付けたい。

BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

8/6~8/12週の主な出来事

8/13~8/19週の主な予定

今週のひとこと「Coinbase『Base』

先日コインベースが開発を支援していた「Base」のメインネットが公開され話題を呼びました。

Baseとはコインベースが開発を支援する独自プロジェクトで、イーサリアムブロックチェーン上に構築されたレイヤー2のブロックチェーンです。

ネットワークにはすでに100以上のプロジェクトが公開されており、約11000万ドルの資金がBaseネットワーク上にロックされ、ブロックチェーンの一般的な指標であるTVLTotal Value Locked)の量で見ると、Base5番目に大きいレイヤー2ブロックチェーンとなっています(814日時点 参考:DeFi Llama )。

現時点ではネットワークトークンの発行予定は無く、ガス代(トランザクションフィー)としてETHを使用します。またイーサリアムやビットコイン、ソラナ、他のL2ネットワークへ簡単にアクセスできる「ブリッジ」の役割を持てるように設計されています。

現在メインネットの公開を記念して「Onchain Summer」と呼ばれるイベントが開催されており、コカ・コーラやOpenSeaなどの大手企業が参加していることから、注目度の高いプロジェクトであることが伺えます。

このレポートについて

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Source: https://www.neweconomy.jp/features/sbivct/331342