ビットコインへ継続投資
米ドルステーブルコイン「USDT」発行のテザー(Tether)社が、利益の一部をビットコイン(BTC)投資に充てると5月17日発表した。
発表にてテザーは、純利益の最大15%をビットコイン(BTC)の購入に充当する予定だとし、この姿勢はテザー社の暗号資産市場に対する信頼と、より広範なエコシステムをサポートするという信念の表れだと強調した。
またテザー社は2023年3月末時点で、すでに約15億ドル(約2,064億円)のBTCを準備金として保有している。なお同社はこれらのビットコインをカストディなどの第三者機関に保管せず、すべて自社で保管しているとのことだ。
テザー社はビットコインについて、「過去10年間にわたる素晴らしいリターンの実績により、その投資可能性を実証した」と述べている。また、ビットコインを投資戦略に組み込むことで、デジタル資産の潜在的な成長力を活用しながら、信頼と安心の金融インフラプロバイダーとしての立場を確立していきたいとしている。
テザー社のCTOであるパオロ・アルドイーノ(Paolo Ardoino)氏は、「世界初かつ最大の暗号資産であるビットコインに投資するという決定は、投資資産としての強さと可能性に裏打ちされたもの」だとし「ビットコインは、その回復力を継続的に証明し、大幅な成長の可能性を秘めた長期的な価値貯蔵が世界的に注目されている。ビットコインは、その限られた供給量、非中央集権的な性質、そして広く普及していることから、機関投資家や個人投資家の間で好まれる選択肢として位置づけられている」とビットコインを高く評価した。
また同氏は「ビットコインへの投資は、テザー社のポートフォリオのパフォーマンスを向上させるだけでなく、私たちのビジネスや生活のあり方を変える可能性を秘めた革新的なテクノロジーと連携する方法でもある」とコメントしている。
またテザー社は、ビットコイン以外の投資を「小規模な投資」と表現。その小規模な投資では、暗号資産(仮想通貨)取引所「ビットフィネックス(Bitfinex)」、P2P開発企業「ハイパーコア(Hypercore)」らと共同で立ち上げた「ホールパンチ(Holepunch)」などのピアツーピア技術による通信、エネルギー、ビットコインマイニングのインフラ構築に注力しているとしている。
テザー社は5月10日の準備金証明書にて、同社の準備金が第1四半期末時点で、818億ドル(約11.2兆円)相当になったことを報告。同準備金には530億ドル(約7兆円)の米国債が含まれており、15億ドル(約2,020億円)相当のビットコインと53億ドル(約7,140億円)相当のローンも含まれていることが明らかとなっている。
- 関連ニュース
- テザーが準備金レポート発表、第1四半期末時点で総資産は818億ドル相当
- テザー、最新の準備金レポート発表、連結総資産670億ドル以上か
- テザー、「USDT」10億ドル相当をソラナ(SOL)からイーサ(ETH)基盤へ
- マイクロストラテジー、38億円相当のビットコイン追加購入。合計保有数14万BTCに
- USDTのテザー社とビットフィネックスとハイパーコア、P2Pビデオ通話アプリ「Keet」α版公開
参考:報告書
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Nature
Source: https://www.neweconomy.jp/posts/314354